トム・クルーズ、異例のロングインタビュー!64歳の現在を語る「死は怖くない」──ブラッド・ピットにも言及
ハリウッドを代表するスター、トム・クルーズが、普段はあまり見せない素顔や映画製作への情熱について語った。新作映画『DIGGER/ディガー』のプロモーションを兼ね、米GQのザック・バロンによる約30分間のロングインタビューに応じたクルーズは、死への恐怖、64歳を迎えた現在の心境、共演者への厳しい姿勢、そして“最後の映画スター”と呼ばれることについて率直な思いを明かしている。
『トップガン』や『ミッション:インポッシブル』シリーズで長年ハリウッドの第一線を走り続けてきたクルーズ。近年も『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』で自ら危険なスタントに挑み続け、その映画への並外れた情熱はたびたび話題となってきた。
そんなクルーズが今回、これまでのキャリアだけでなく、自身の仕事への向き合い方や人生観についてもじっくりと語った。
「死は怖くない」トム・クルーズがインタビューで語った人生観
『ミッション:インポッシブル』シリーズでは、バイクで崖から飛び降りるスタントや、飛行機の翼にぶら下がるアクションなど、常人には考えられない挑戦を続けてきたクルーズ。
インタビューでは当然のように、「死を恐れているか」と尋ねられた。
クルーズはまず、自分の人生を「冒険」と捉えていると説明。人間や文化を知り、異なる人々が何を考え、何に笑い、どうすればつながることができるのかを理解したいという。
そして、改めて死への恐怖について問われると、よりストレートに答えた。
「死は怖いか? いや、怖くない」
もっとも、恐怖そのものを感じないという意味ではない。恐怖を感じることを受け入れたうえで、不確実なものに飛び込んでいくことこそが人生の冒険だと考えているようだ。
「怖いと感じることを恐れてはいない。これは大きな一歩だと分かっていても、飛び込もうと思える」
危険なスタントに自ら挑み続けるクルーズの姿勢を考えると、まさに彼らしい言葉ともいえる。
「ウワサは本当」トム・クルーズの“厳しい現場”の評判を本人が認める
インタビューでは、クルーズの仕事に対する“熱量の高さ”についても話が及んだ。
『トップガン マーヴェリック』で共演したグレン・パウエルは以前、クルーズから映画製作について学ぶため、彼自身が制作した約6時間の映像を映画館で一人で見るよう言われたというエピソードを明かしていた。
今回のインタビューで、クルーズ本人もこの話が事実だったことを認めた。
映像では、レンズやフレームの考え方、映画における画面の意味、ストーリーテリングの構造など、長年の経験から得た知識を伝えたという。
クルーズは、若手俳優だけでなく、監督やプロデューサーなど、一緒に仕事をする人たちに対しても、まず「何を目指しているのか」「何をしたいのか」を理解することを大切にしていると説明。
そして、自身について「期待することは多い」と認めたうえで、「ウワサは本当だ。それでも、あなたはこれをやりたい?」と共演者に問いかけるという。実際にそう言うのかと聞かれると「そうだ」と即答し、「信じてほしい。私はあなたより先にここにいる。どんな経験をしたい?」と続けた。こうした言葉からも、映画製作に対するクルーズの妥協のなさと、現場を率いる責任感の強さがうかがえる。
“最後の映画スター”の呼び声にブラッド・ピットを挙げる
クルーズは、しばしば“最後の映画スター”と呼ばれる。しかし本人は、その呼び方を自分だけに向けられるものとして受け止めてはいないようだ。
インタビュアーから、若い世代の俳優たちを指導しているのは、自分が“最後の映画スター”ではないと考えているからではないかと問われると、クルーズは現在活躍する俳優たちの名前を挙げた。
そのなかでも、特に言及したのがブラッド・ピットだ。
「ピットはすばらしい俳優で、すばらしいスター。そしてすばらしいカリスマ性がある」
さらに、映画は世代を超えて受け継がれていくものだと説明。自分自身も若い頃から現場で多くの優れた映画人と仕事をし、彼らから学んできたと振り返った。
クルーズとピットといえば、2025年には映画『F1®︎/エフワン』をめぐっても話題を集めたほか、2人がハリウッドを代表する“映画スター”として並び称されることも多い。THR Japanでも両者にまつわる話題をたびたび取り上げている。
64歳になっても「夢は止まらない」
7月に64歳の誕生日を迎えたクルーズ。年齢を重ねたことで、仕事や人生に対する考え方に変化があったのかと尋ねられると、まず「64歳になったということ」と冗談めかして答えた。しかし、その後に語った言葉は非常に力強い。
クルーズにとって、64歳という年齢はキャリアの終着点を意識するきっかけにはなっていない。夢を実現するには努力し、人生を理解し、スキルを身につけ続ける必要がある。つまり、人生そのものが終わりのない学びなのだという。
「人生には常に新しい夢がある」
かつて「これだけ成功したのだから、次は何をするのか」と尋ねられたこともあるというクルーズ。しかし、本人にとって夢を持ち続けることは、生きることそのものなのだ。「夢のない人は、生きることをやめてしまったのだと思う」と語り、64歳になった今も、まだまだ大きな夢を追い続けていることを明かした。
映画を撮っていない日も「いつも何かを学んでいる」
プライベートについて多くを語らないクルーズだけに、「映画を撮っていない普通の火曜日には何をしているのか」という質問も飛び出した。
答えは、いかにもクルーズらしいものだった。「次の準備をしている。いつも何かを勉強している。いつも何かを学んでいる」。
また、世界中を飛び回る生活を送るなかで、どこを“家”と感じるのかについては、「行く先々に家がある」と語った。
コロナ禍を経て、今だからこそ語った理由
今回のような長時間のインタビューをクルーズが行うのは、近年では珍しい。
なぜこれほど長くインタビューに応じていなかったのかと聞かれると、シンプルに「忙しかった」と説明した。
特に新型コロナウイルスのパンデミック中には、作品の制作を止めず、スタッフとともに高いレベルで仕事を続けるために膨大な時間と労力を費やしたという。
『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』の制作にもパンデミックやハリウッドのストライキなどが影響した。THR Japanの過去の取材でも、同作の完成までに7年を要したことが語られている。
そうした長い時間を経て、「今こそ話す時だ」と感じたようだ。
子どもの頃から“秘密の計画”を持っていた
インタビューでは、クルーズの少年時代についても意外なエピソードが明かされた。「夢があることは、人に言わないほうがいいと早い段階で分かった」と語ったクルーズ。幼い頃から、自分の目標を紙に書き出し、壁に貼っていたという。
ただ「有名になりたい」と考えていたわけではない。
映画を作りたい。世界を旅したい。さまざまな人と出会い、人生を知りたい――。
そして、自分なら誰よりも努力できるという確信を持っていた。周囲の反応を見て、自分の夢について語ることをやめた時期もあったというが、その情熱そのものを手放すことはなかった。
「“誰でもない人”なんて、私は一度も会ったことがない」
インタビューの終盤では、クルーズが人間そのものに強い関心を持っていることが伝わる言葉も飛び出した。
「私は一度も“誰でもない人”に会ったことがない」
誰もがそれぞれの人生を歩み、物語を持っている。だからこそ、人の話を聞き、相手を知ろうとすることが面白いのだという。
64歳を迎えてなお、映画への情熱も、未知のものへ飛び込む姿勢も変わらないクルーズ。現在はアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の新作『DIGGER/ディガー』が控えており、2026年10月9日の日本公開予定が伝えられている。さらに世界プロモーションツアーの開催地には東京も含まれている。
『ミッション:インポッシブル』シリーズの“最終章”を経ても、クルーズ自身の挑戦は終わらない。むしろ今回のインタビューから浮かび上がるのは、64歳になった今も「次の夢」を追い続ける映画人の姿だ。
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