ホーム » NEWS » 『クレイフェイス』トム・リス・ハリーズのインタビュー

『クレイフェイス』主演トム・リス・ハリーズ、主演獲得までの過酷な道のり──ほかの候補者を知らずに挑んだオーディションを振り返る

/ /
『クレイフェイス』主演トム・リス・ハリーズ、主演獲得までの過酷な道のり──ほかの候補者を知らずに挑んだオーディションを振り返る
トム・リス・ハリーズ 写真:Austin Hargrave
スポンサーリンク

DCユニバースのボディホラー映画『クレイフェイス』で主演を務めるトム・リス・ハリーズが、役を獲得するまでの過酷な選考過程を振り返った。ほかの4人の候補者と競い、2度にわたるスクリーンテストに臨んだハリーズ。36歳で大きな転機を迎えた俳優が、キャリアへの思いや撮影現場で得た経験を語っている。

『クレイフェイス』主演獲得までの過酷なオーディション

『クレイフェイス』の主演候補としてオーディションに臨んだ際、トム・リス・ハリーズがエージェントに頼んだのは、ほかの候補者について一切教えないでほしいということだった。当時、DCユニバースの新作ボディホラー映画で主人公となるアンチヒーロー役には、ハリーズを含む5人の俳優が候補に挙がっていた。

「実際、エージェントの話を遮って、『ほかに誰が候補にいるのか、絶対に教えないでほしい』と言いました。誰が検討されているのかを考えず、自分のことだけに集中したかったんです」と振り返る。

その後、1週間かけて準備を進め、ジェームズ・ワトキンス監督(『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』、『ブラック・ミラー』)やワーナー・ブラザースの関係者を前に、3時間に及ぶスクリーンテストに臨んだ。

テストを終えたハリーズは疲れ切っていたものの、自身の演技には手応えを感じていた。そこで初めて、競争相手が誰だったのかをエージェントに尋ねたという。

「興味はありました。でも、もうテストは終わっていたので、知ったところで悪い影響はないと思ったんです」

ところが翌日、スタジオからもう一度スクリーンテストを受けてほしいとの連絡が入った。

「もう一度、周囲のことを気にせず集中するしかありませんでした」と笑う。

トム・リス・ハリーズ、舞台から映画・テレビへ

現在36歳のハリーズは、ウェールズのカーディフ出身。教師を務める両親のもとで育ち、ロイヤル・ウェルシュ音楽演劇大学で演技を学んだ。卒業後、俳優として本格的に活動するためロンドンへ移った。

「ほかに何ができるのか、自分でもよく分かりません。それほど俳優という仕事に打ち込んできましたから」と自身のキャリアについて語る一方、駆け出しの頃に年上の俳優から受けた助言も印象に残っているという。

「ある年上の俳優から、『俳優に決まったキャリアなんてない。あるのは、運がよければ次々と巡ってくる仕事だけだ』と言われました」

ハリーズはまず舞台で経験を積み、2014年にはジェズ・バターワース作の舞台『Mojo』でウエストエンドデビューを果たした。その後、映画『ジェントルメン』やドラマ『ドクター・フー』などにも出演し、活動の幅を広げていった。

自身のキャリアを振り返ると、知名度を高めた仕事と、俳優として大きく成長するきっかけとなった仕事は、必ずしも一致しないという。

その例として挙げたのが、2017年にジェイミー・ロイド演出で上演された舞台『ザ・ピッチフォーク・ディズニー(The Pitchfork Disney)』だ。

「自分のすべてを注ぎ込みました。あの作品を経験したことで、自分に何ができるのか、どこまで挑戦できるのかという考え方が変わりました」

『クレイフェイス』主演決定の裏側、スタジオが感じていた懸念

『クレイフェイス』のオーディションは、エージェントから出演者を探しているとの連絡を受け、キャスティングディレクターとの面談に進むという、比較的オーソドックスな形で始まった。

しかし、ハリーズ自身は、自分がスタジオにとってリスクのある選択肢だったことを理解していた。

「ほかの候補者には、スタジオ製作の映画で主演を務めた経験や、作品のプロモーション活動に参加した経験がありました。自分には、そうした実績がなかったんです」

演技力だけでなく、撮影スタッフや共演者とどのように関係を築くのか、作品の宣伝活動にどう対応するのかについても、スタジオ側には判断材料が少なかったという。

「演技を見せることはできても、スタッフや共演者とどう仕事をするのか、メディアの前でどんな姿を見せるのかについては、スタジオに判断してもらえるだけの実績がありませんでした」

2度目のスクリーンテストから数日後、ハリーズのもとに主演決定の連絡が届いた。

大規模作品の主演を務めることになったハリーズ。しかし、実際に現場に入って気づいたのは、作品の規模が大きくなるほど、周囲のサポート体制も充実するということだった。

「最近、初めてテレビシリーズの主演を務める友人とメッセージをやり取りしていたんです。直感とは逆かもしれませんが、実は周りにたくさんの人がいるほうが楽なんですよね、と話していました」

また、作品への反響を受け、撮影に携わった多くの人々の存在や支えを改めて実感したという。

「自分が撮影現場に入る前から、方言指導のコーチやトレーナーとのセッションを何度も重ねていました。実現には至らなかった仕事も含め、エージェントとは何年にもわたって話し合い、メールやメッセージを交わしてきました」

『クレイフェイス』で迎えた転機、変わらない俳優としての姿勢

『クレイフェイス』は批評家から好意的なレビューを集め、北米の公開初週末興行収入ランキングで首位を獲得した。ハリーズにとっても、俳優としてのキャリアを大きく変える作品となりそうだ。

しかし、本人は今回の成功に浮足立つことなく、これまでと変わらない姿勢で仕事に向き合いたいと考えている。

「これから先について、壮大な計画を立てているわけではありません。根本的には何も変わらないと思っています。話をする機会のあるクリエイターの幅は広がるかもしれませんが、それ以外は、自分が心から信頼できるクリエイターたちの作品に参加したい。それだけです」

一方で、『クレイフェイス』を通じて得られた人々とのつながりには、特別な思いを抱いている。そのひとつが、高校時代の恩師たちから届いた連絡だった。

ハリーズは、初めて舞台に立った際、わざわざロンドンまで観に来てくれた教師と、現在も交流を続けている。最近では、その教師がほかの元教師たちと一緒に『クレイフェイス』を鑑賞し、FaceTimeを通じてハリーズに感想を伝えてくれたという。

「本当にかわいらしい出来事でした。学校に通っていた頃の自分は、何か夢中になれるものを見つけなければ、この先どうなるか分からないと思われていたような生徒だったんです」

そして、当時の教師の存在が、現在の自分につながっていると振り返る。

「もしあの先生がいなかったら、今こうしてあなたと話していることもなかったと思います」

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

【関連記事】

スポンサーリンク

類似投稿