【カンヌ国際映画祭2026】コンペで濱口竜介監督の最新作『急に具合が悪くなる』ワールドプレミアに手応え「温かい拍手いただけて良かった」
第79回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で15日、濱口竜介監督の『急に具合が悪くなる』の公式上映がワールドプレミアとして行われた。
濱口竜介監督と出演のヴィルジニー・エフィラ、岡本多緒、長塚京三、黒崎煌代らが参加。同じコンペ部門で14日に上映されたアスガー・ファルハディ監督の『PARALLEL TALES』に続き、2日連続でのレッドカーペットとなったヴィルジニー・エフィラはプレスやファンの熱烈な呼びかけに余裕の笑顔で応え、地元フランスのスターの貫録を見せつけた。

一行がリュミエール劇場に入ると、観客は割れんばかりの拍手と「ブラボー」「ハマグチ」のコールが起きる歓迎ぶり。2021年『ドライブ・マイ・カー』でカンヌの脚本賞、アカデミー賞国際長編映画賞のほか、ヴェネツィアやベルリンでも数々の実績を残す濱口監督の最新作への期待の大きさをうかがわせた。
パリ郊外の介護施設長のマリー=ルーと日本人演出家の森崎真理が同じ名前の響きを持つことから交流を深め、真理の病気が進行していくにしたがってさらに魂を通わせ合っていく濃密な時間を描く『急に具合が悪くなる』。上映後から始まったスタンディングオベーションは14分続き、場内が明るくなるとさらなる称賛の声が送られた。エフィラと岡本はハグを交わして感動を分かち合った。
- 第79回カンヌ国際映画祭にて ©Kazuko Wakayama
- 第79回カンヌ国際映画祭にて ©Kazuko Wakayama
濱口監督は上映後、「ようやく観客に届けることができました。カンヌだとこういう反応になるのか、と感慨深いものがありました。たくさん笑いが起きて、こんな映画だったんだと再認識しました。最後には、非常に温かい拍手をいただけて良かったです」と満足げ。さらに、「自分がこの映画の素晴らしい原作を読んで心震えたこと、自分に起きたことが映画を見た観客にも起きてほしいと思っていました。それを身体化して表現してくれた俳優の皆さんの力が大きいと感じています」と手応えを感じている様子だ。
エフィラも、「この映画は、人と人とがつながることの大切を伝えてくれる作品だと思っています。観賞して、作品と観客がつながっていることを体感しました。本当に素晴らしい上映でした」と満面の笑み。岡本は、「見ていて、気付いたら口角が上がっていました。温かい拍手を長い時間いただいたことにも感動しました。今まで画面の向こう側で見ていたカンヌに自分がいるなんて、現実味がまだありませんが、気持ちはとても興奮しています」と胸を高鳴らせた。

真理が演出する独り芝居の俳優役の長塚京三は、「見れば見るほどに、感動が深くなる作品。皆さん素晴らしい」と再確認。その孫役の黒崎も「あっという間の3時間16分でした。新しい気持ちで映画を見ることができて感動しました。国が違うと笑うところが違うのも面白かったです」と無邪気に話した。
『急に具合が悪くなる』はこの日、環境に配慮して制作した作品に与えられる「Ecoprod Cannes 2026」に選ばれたことも発表された。既に50カ国以上での配給が決定。日本では6月19日に全国で公開される。

■映画『急に具合が悪くなる』原作本
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記事:The Hollywood Reporter Japan 特派員 鈴木元
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