岡本多緒、原作者の言葉に再び涙――カンヌ受賞『急に具合が悪くなる』ジャパンプレミア
第79回カンヌ国際映画祭で、岡本多緒とヴィルジニー・エフィラが最優秀女優賞を受賞した『急に具合が悪くなる』のジャパンプレミアが5月27日、東京・TOHOシネマズ 日比谷で開催された。
舞台挨拶には、岡本多緒、ヴィルジニー・エフィラ、長塚京三、黒崎煌代、そして濱口竜介監督が登壇。カンヌ受賞の喜びや作品への思いを語った。
『急に具合が悪くなる』とは? カンヌ最優秀女優賞を受賞した話題作

『急に具合が悪くなる』は、第79回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、岡本多緒とヴィルジニー・エフィラが最優秀女優賞をダブル受賞した話題作。
濱口竜介監督にとっても新たな代表作として注目されており、海外メディアからは「繊細でありながら圧倒的な感情のうねりを持つ作品」と高い評価を受けている。
この日の会場では、カンヌで授与されたクリスタル製のトロフィーも披露された。岡本はトロフィーを掲げながら、「ずっしりと重いんですよ」と笑顔を見せ、「まだ実感はないですが、五輪でメダルを獲ったような感覚です」と喜びを語った。
一方、ヴィルジニー・エフィラも授賞式を振り返り、「名前を呼ばれた瞬間、胸に突き刺さるような感覚がありました。カンヌには賞が8つしかありません。その中で女優賞をいただけたのは本当に驚きでした」と感慨深げにコメント。「俳優を中心に据えた作品だからこそ、この受賞には大きな意味があると思っています」と胸を張った。
岡本多緒&ヴィルジニー・エフィラ、カンヌ受賞の意味を語る
- 岡本多緒 写真:The Hollywood Reporter Japan
- ヴィルジニー・エフィラ 写真:The Hollywood Reporter Japan
岡本は、「2人の間で生まれたものが審査員の皆さんに届いたのだと思います。今回の受賞は“ペアで受賞した”ことに意味がある」と分析。
これに対し、濱口監督も「授賞式での2人のスピーチが本当に素晴らしかった。作品全体が評価された結果だと思っています」としみじみ語った。
共演した長塚京三は、「テレビ中継を観ていたら、多緒さんが泣き始めて。僕も一緒に泣いてしまいました。本当に自分のことのようにうれしかった」と祝福。
黒崎煌代も「寝ていたんですけど、起きた瞬間に速報が入っていて。“ヤベえ”ってなりました。ここ数年で一番気持ちのいい目覚めでした」と興奮気味に語り、会場の笑いを誘った。
原作者からの花束に岡本多緒が感涙「頑張って良かった」
イベント後半では、原作者の1人で文化人類学者の磯野真穂がサプライズ登壇。岡本とヴィルジニー・エフィラへ祝福の花束を手渡した。
磯野は、「授賞式でのお二人の姿を見て、私と宮野真生子さんが心から願っていた景色を見せてもらった気がしました」と語りかけ、「世界に愛されるだけでなく、世界を愛する俳優として羽ばたいてください」とエールを送った。

その言葉を受けた岡本は、再び涙を浮かべながら「頑張って良かった」と声を詰まらせた。
さらに、「人生のタイミングによって、この映画の受け取り方は変わると思います。でも私は、この作品で“希望”という言葉を再発見しました」とコメント。
「観終わったあとに、皆さんの中に少しでも温かい気持ちが残ってくれたらうれしいです」と語ると、会場は大きな拍手に包まれた。
濱口竜介監督最新作『急に具合が悪くなる』は6月19日公開

『急に具合が悪くなる』は、6月19日より全国公開。
第79回カンヌ国際映画祭での最優秀女優賞受賞を経て、日本公開前から大きな注目を集めている本作、濱口竜介監督が描く、“喪失”と“再生”、そして“希望”の物語が、日本の観客にどのように受け止められるのか期待が高まっている。
取材/記事:The Hollywood Reporter Japan 特派員 鈴木元
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