日本人初・カンヌ女優賞の岡本多緒が凱旋!『急に具合が悪くなる』会見で喜び語る「まだ現実味がない」
第79回カンヌ国際映画祭に出品された『急に具合が悪くなる』の濱口竜介監督、出演した岡本多緒とヴィルジニー・エフィラが26日(火)、東京・内幸町の日本記者クラブで凱旋会見を行った。
『急に具合が悪くなる』女優賞の岡本多緒&ヴィルジニー・エフィラが凱旋
今回のカンヌで岡本とエフィラは女優賞をW受賞。岡本は日本人初の受賞という快挙を達成した。歓喜の瞬間から2日が過ぎたが、岡本多緒は「まだ現実味がない。多分、実感が湧くことは一生ないんじゃないかと感じています」と語った。
日本人初の快挙にも、「受賞の意味やプレッシャーは正直あまり感じていません。それよりも、周りの皆さんが『うれしい、誇らしい』と言ってくれていることに感激しています。たくさんの方に見てもらえるきっかけになればうれしい」と話した。

エフィラは、「『急に具合が悪くなる』で、日本に来られてうれしい」と日本語で挨拶。続けて、「皆さんと受賞を一緒に喜べるのは本当に幸せ。(授賞式で)竜介が一緒にステージに上がらないのは、少し変な感じがした。監督の仕事の成果なのに」と冗談交じりに語った。
岡本、憧れの監督に感激!俳優から見た濱口監督の魅力とは
『急に具合が悪くなる』は、がんを患った哲学者の宮野真生子氏と、文化人類学者の磯野真穂氏による同名の往復書簡集に着想を得た作品。がんと闘う舞台演出家の真理と介護施設長のマリー=ルーが、同じ名前の響きを持つことから共鳴し、心を通わせていく物語だ。
岡本はもともと濱口が書く脚本の大ファンだと明かし、「いろいろな監督と比べても筆力、文才がずば抜けています。『急に具合が悪くなる』も、何度読んでも楽しいし面白い」と絶賛した。
憧れの監督の作品に身を投じ、「いろいろなところに気を使わなければいけないのに、常に役者を見てくれていると感じました。それは他部署への信頼があるからだと思います。良い意味で緊張が抜けない現場でした」と撮影を振り返った。
エフィラは、濱口監督独特のメソッドである、あえて“棒読み”で行う脚本の読み合わせに関心を寄せた。「撮影前はあえて演技しないことで、撮影が進むにつれて役が広がっていくように感じた。監督からはいろいろな資料を渡され、それを読むことで、人物の内面に入っていくことができた。神秘的な部分にたどり着いている感覚もあった」と説明した。

濱口監督は「宮野さんと磯野さんの往復書簡から始まった映画で、2人がその魂を継ぐように演じてくれた。彼女たちの仕事を支えた自分にとっても誇らしい」と主演2人を称賛。さらに、「2人がどういう関係性を築くか、監督にはコントロールできない。共に支え合い、感情を引き出し合う演技をしてくれてうれしい」と称えた。
『急に具合が悪くなる』は6月19日(金)に全国の劇場で公開される。また、世界50以上の国・地域での公開も決定している。
取材/記事:The Hollywood Reporter Japan 特派員 鈴木元
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