ネイマール、肖像ライセンスを提供 ワールドカップ期間中にAI活用ドラマが世界配信へ
サッカーブラジル代表FWネイマールが、自身の肖像をAI活用型の縦型ドラマシリーズ向けにライセンスを提供したことが明らかになった。中国系デジタル出版社COL Group傘下の配信プラットフォーム「FlareFlow」は、FIFA男子ワールドカップ開催期間に合わせ、ネイマールを主人公に据えた全16作品のマイクロドラマシリーズを展開する。
ネイマールがAI活用ドラマシリーズに参加
発表は、インドネシア・バリで開催中のアジア太平洋地域のメディアカンファレンス「APOS」で行われた。COL Groupは今回の取り組みについて、「世界的なスポーツスターとAI主導の縦型ストーリーテリングによる大規模な協業の先駆的事例」と位置付けている。
第1弾となる6作品は6月19日から22日にかけて世界同時配信され、残る10作品も今後数カ月にわたり順次配信される予定だ。シリーズの中心作品となる『The Way Back to Glory』は6月19日に配信開始となる。
復讐劇からSFまで、多彩なジャンルで描かれるネイマール
作品群は近年急成長するマイクロドラマ市場の特徴を色濃く反映している。短尺で刺激的な展開を重視し、ネイマールはさまざまな復讐劇や逆転劇の主人公として登場する。
ラインナップには『Fake Neymar, Real God(原題)』や『The Limping Janitor Is the True World Football King(原題)』などのユニークな作品が並ぶほか、『Soccer Star Kidnapped Into the Galaxy Cup: Score or Die!(原題)』では、ネイマールが人類存亡を懸けた銀河規模のサッカー大会に挑むというSF設定が採用されている。
COL Groupは本シリーズを「プレミアムコンテンツ」と説明しているが、実写撮影とAI生成技術がどのような割合で使用されているかについては明らかにしていない。
W杯欠場中のネイマール、復帰時期は不透明
34歳のネイマールはブラジル代表26人メンバーに選出されているものの、現在は負傷離脱中。6月13日に行われたモロッコ戦を欠場しており、現時点では復帰時期も発表されていない。
FlareFlowにとっては、ネイマールの実戦復帰がシリーズの話題性をさらに押し上げる可能性がある。『The Way Back to Glory(原題)』の配信開始日である6月19日は、ブラジル代表がハイチ代表と対戦する日でもあり、ピッチ上での復帰が実現すれば大きな注目を集めそうだ。
FlareFlowがネイマール起用で男性ユーザー獲得へ
今回の起用には、マイクロドラマ市場の視聴者層拡大という狙いもある。一般的にマイクロドラマの主要ユーザーは女性が中心とされ、COL Groupのデータでも20〜35歳の女性視聴者がコア層を占めるという。
一方、ネイマールはSNS総フォロワー数2億2,000万人超を誇る世界的アスリート。FlareFlowは彼の人気を活用し、男性ユーザーの取り込みを図る考えだ。
同社のティモシー・オーCMOは、このプロジェクトを「Vertical 2.0戦略の本格的な幕開け」と表現。スポーツやアクション要素を強化した新たな縦型コンテンツ路線を打ち出している。
急成長するマイクロドラマ市場
COL Groupは中国・北京に本拠を置く上場デジタル出版社で、2021年からマイクロドラマ事業に参入した。米国で縦型ドラマブームを牽引した「ReelShort」を運営する米Crazy Maple Studioの株式49%を保有していることでも知られる。
FlareFlowは2025年4月にスタートしたグローバル向けサービスで、現在は14言語・約5,200作品を配信。登録ユーザー数は3,300万人に達し、米国、ドイツ、オーストラリア、カナダなどで利用者を拡大している。
ただし、北米市場でのシェア獲得競争は激しく、海外向けマーケティングやコンテンツ制作への積極投資により、COL Groupは2025年上半期に約2億2,600万元(約51億9,800万円)の純損失を計上している。ネイマールとの大型提携は、同社の成長戦略を占う重要な試みとなりそうだ。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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