【ネタバレあり】『一流シェフのファミリーレストラン』最終シーズン米レビューが到着──感動とユーモア、そして一抹の不安
FX/Huluの料理系コメディドラマ『一流シェフのファミリーレストラン』が、いよいよ最終章を迎えた(日本ではディズニープラスで配信)。製作総指揮・監督・脚本を手がけるクリストファー・ストーラーが全体を統括するシーズン5は、笑いと感動と緊張感が凝縮された一作だ。ただし、全8話のうち批評家に届いた7話目が実質的な「最終回」の完成度を持つ一方で、本当の最終話はまだ謎のベールに包まれている。
※本記事には最終シーズンのいくつかのエピソードのネタバレが含まれます。
第7話「Caramel」——これがフィナーレでなくて何だ
シーズン5の第7話は、ストーラーと脚本家ニコール・コフートが共同執筆し、ストーラー自身が監督を務めた52分のエピソードだ。息をつかせない緊張感のなかに、主要キャラクターたちへの「餞別」ともいえる場面が散りばめられ、料理の映像美も健在。思わず声に出して笑ってしまうシーンすらあった——「コメディ」か「ドラマ」かという終わりなき議論はさておき。
問題はこれが最終話ではないことだ。FXは批評家にシーズン最終話を送付していない。おそらくネタバレ防止のためだが、その不在が筆者を興奮よりも不安な気持ちにさせる。今春のHBO『ハックス(原題:Hacks)』でも、ペヌルティメット(最終回の一つ前)のエピソードが本当の最終回よりも満足度が高かった、という既視感がある。
シーズン5のあらすじ——嵐の一夜
シーズン5はシーズン4のクリフハンガーの翌日から始まる。カーミー(演:ジェレミー・アレン・ホワイト)が店を去りシドニー(演:アイオウ・エディバリー)、リッチー(演:エボン・モス=バラック)、ナタリー(演:アビー・エリオット)に引き継ぐと宣言した直後——さらにオーナーのアンクル・ジミー(演:オリヴァー・プラット)が店の閉鎖を検討している、という最悪のタイミングから物語は動き出す。
厨房の大型デジタル時計はゼロを示し、店は廃業寸前。そんな夜に限って、シカゴは記録的な大雨に見舞われる。予約システムが機能しなくなり、店の設備は物理的な崩壊の危機にさらされる。マルクス(演:ライオネル・ボイス)は雑誌『Food & Wine』の「最優秀新人シェフ」に選ばれたばかりだというのに、ティナ(演:ライザ・コロン=ザヤス)らスタッフ全員が職を失う可能性と向き合っている。
この夜のディナーサービスは、全員にとっておそらく最後の晩餐となる——。
リアリズムより様式美へ——最終章の賭け
シーズン全体を貫くのは、過去のシーズンにあったような変則的なスタンドアローン回ではなく、1日1夜の完全連続劇という構成だ。雨の夜という単一の舞台設定に絞り込んだ潔さは評価できる一方で、デジタル処理された豪雨演出や、舞台セットのような様式的インテリアが、本作が誇ってきた「生々しさ」とは少し距離を置いている。
クリストファー・ストーラーはその人工美を明らかに意図的に選択している。レンズフレアや雨粒が作る光の万華鏡、ドア枠の逆光シルエット——映像美はハンス・ジマーがプロデュースしたスコアと相まって、まるでトニー・スコット監督版の厨房ドラマのような高揚感を生み出す。自然主義的なタッチは後退し、代わりに「劇的であること」が前景化する。
その結果、カーミーはより夢想的で陰鬱に、シドニーはより不安定に描かれ、ジェイミー・リー・カーティス演じるドナが乳幼児の面倒を見るという場面は、エネルギーの「極端さ」を体現する装置として機能している。
配管修理が語るもの——これはやっぱりコメディだ
本作がコメディであることの証拠として筆者が長年挙げてきた「Original Berf」Tシャツが今シーズンも登場する。さらに、ニール(演:マティ・マセソン)とテッドのファク兄弟が店の配管トラブルに奔走する複数話にわたるサブプロットも用意されている。純粋なドラマ作品で、配管修理が数エピソードを占めることはまずない。
第8話への期待と不安
第7話「Caramel」がほぼ完璧な最終回として機能する以上、第8話が何を提供するのかは未知数だ。ストーラーはカーミーと自分自身を重ね合わせながら、「レストランの終わり」と「テレビシリーズの終わり」を意図的に並走させてきた。混乱と創造性の関係性、カオスの必要性——そうしたテーマへの答えが最終話で示されるのか、それともすでに第7話で語り尽くされているのか。
答えは、間もなく明らかになる。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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