『イレイザー』公開30周年!名作アクション映画の裏側が明らかに――『ミッション:インポッシブル』の意外な影響、完成直前のトラブルとは?
1996年公開のアクション映画『イレイザー』が今年で公開30周年を迎えた。主演を務めたのは、当時ハリウッド屈指のアクションスターだったアーノルド・シュワルツェネッガー。証人保護プログラムに携わる連邦保安官ジョン・クルーガーが、軍事企業の陰謀と戦う姿を描いている。
本作は公開当時、世界興行収入2億4,000万ドル超を記録するヒット作となった。そんな『イレイザー』について、米『ハリウッド・リポーター』による30周年記念インタビューで、監督のチャック・ラッセルが驚きの舞台裏を明かした。
映画『イレイザー』30周年で新事実――『ミッション:インポッシブル』が原因で脚本を書き直し
ラッセル監督によると、撮影中に最大の問題となったのが、同時期に製作されていた『ミッション:インポッシブル』(1996年)だったという。
当初、『イレイザー』にはシュワルツェネッガー演じるジョンがワイヤーで天井から侵入し、CIA施設から重要なディスクを盗み出す場面が用意されていた。しかし撮影途中で、同様のシーンが『ミッション:インポッシブル』に含まれていることを知る。
結果として、映画ファンなら誰もが知るあの有名な「宙づり潜入シーン」と酷似していることが判明し、制作陣は急きょ脚本を変更する決断を下した。ラッセル監督は、「まったく同じ場面を使いたくなかったため、主人公の潜入方法そのものを書き換えた」と振り返っている。
現在では映画史に残る名シーンとなった『ミッション:インポッシブル』のワイヤーアクションだが、その影響がシュワルツェネッガー映画にも及んでいたことが30年越しに明らかになった。
完成直前に問題が発覚?作中の企業名を変更
『イレイザー』は完成間近にもトラブルに見舞われた。作中に登場する軍需企業は当初「Cyrex」という名称だったが、ポストプロダクションの最終段階に、実在する企業「Cyrix」と酷似していることが判明したのだ。法的問題を避けるため、作中の企業名は「Cyrez」へ変更された。
問題は、その企業名が映画中の至る所に登場していたことだった。ヘリコプターやビルの屋上、看板、警備員の帽子など、少なくとも70カット以上で修正が必要になったという。
現在ならデジタル技術で比較的容易に修正できるが、当時はフィルム納品の時代。制作チームはわずか1週間で膨大な修正作業を行い、公開延期となる寸前だったと明かしている。
『マスク』成功後に選んだアクション大作――レールガンも監督のアイデア
本作を語るうえで欠かせないのが、敵組織が開発する電磁加速兵器「レールガン」だ。本作の象徴的アイテムとして今も多くのファンの記憶に残っている。
公開当時はSF映画のような未来兵器に見えたが、ラッセル監督によれば、実際に研究が進められていた技術を参考にしていた。監督は、単なるデータディスク争奪戦では物足りないと考え、近未来的な要素としてレールガンを導入した。公開後には海軍関係者から「技術的な描写はかなり正確だった」と伝えられたという。
興味深いのは、ラッセル監督が『イレイザー』の前に大ヒットコメディ映画『マスク』(1994年)を手掛けていたことだ。通常であれば同ジャンル作品のオファーが続きそうだが、監督自身は以前から本格アクション映画を撮りたいと考えていたという。
そして『マスク』を気に入ったシュワルツェネッガー側から直接アプローチがあり、『イレイザー』の企画が実現した。結果的に本作は、シュワルツェネッガーにとっても1990年代後半を代表するヒット作のひとつとなった。
今なお語り継がれる90年代アクション映画の名作『イレイザー』
『イレイザー』は公開から30年が経過した現在も、シュワルツェネッガー黄金期を代表する作品として高い人気を誇る。
そして今回明かされた制作秘話からは、大ヒット映画の裏で繰り広げられていた試行錯誤や、ライバル作品との予期せぬ競争の実態が浮かび上がった。
もし『ミッション:インポッシブル』の宙づり潜入シーンが存在しなかったなら、『イレイザー』はまったく異なる映画になっていたのかもしれない。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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