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アリアナ・グランデの体型をめぐる議論 『心のカルテ』監督が問う「誰のための美の基準か」

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アリアナ・グランデの体型をめぐる議論 『心のカルテ』監督が問う「誰のための美の基準か」
アリアナ・グランデ 写真:@katiatemkin
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『心のカルテ』などを手がけ、自身も摂食障害を経験した脚本家・監督のマーティ・ノクソンが、アリアナ・グランデらの体型をめぐる議論について寄稿。極端な痩身を美の基準として扱うことが、摂食障害に苦しむ人々や若者に与える影響を指摘し、エンターテインメント業界の責任を問いかけている。

アリアナ・グランデの体型をめぐり議論

2026年、ハリウッドでは「極端に痩せた体型」が新たな問題として注目されている。豊かなバストやヒップと極端に細いウエストを組み合わせた非現実的な体型がもてはやされた時代を経て、現在は極端な痩身そのものが話題になっているという。

ノクソンは、自身が若い頃に拒食症で命を落としかけた経験を持つことから、こうしたイメージに強い危機感を抱いている。

「他人の身体について意見を言わない」というのが、彼女自身の基本的な考え方だ。極端に痩せているかどうかにかかわらず、他人の身体は本人のものであり、周囲が評価することではない。

しかし、アリアナ・グランデの「Petal」のミュージックビデオ公開をきっかけに、SNS上で健康状態を心配する声が相次いだことで、問題は単純ではなくなったとノクソンは指摘する。

「Petal」のミュージックビデオ

グランデ自身の身体的な自己決定権を尊重する必要がある一方で、影響力の大きい著名人が、多くの人にとって危険かつ苦痛を伴う可能性のある身体イメージを強調することについては、別の観点から考える必要があるという。

ノクソンは「彼女の身体を管理すること」が目的なのではなく、メンタルヘルスに悪影響を及ぼしかねないルックを強調するという判断について議論すべきだと主張している。

GLP-1薬と変化する「痩せ」の価値観

近年、GLP-1受容体作動薬の普及も身体をめぐる価値観に変化をもたらしている。

ノクソンによれば、かつては自己受容や多様な体型の象徴として支持されていた人々が、レッドカーペットで以前とは異なる、より細い姿を見せるケースも増えている。

こうした変化は、体型の多様性が広がることに希望を感じていた人々や、特に若い世代にどのような影響を与えるのか。ノクソンは疑問を投げかける。

医学的な必要性がないにもかかわらず、経済的な余裕を背景に薬を使用して大幅な減量を目指す人が増えれば、「痩せていることが望ましい」というメッセージが再び強まる可能性がある。さらに、身体の大きさが経済格差とも結びつくことになると指摘する。

『心のカルテ』で描いた摂食障害

『心のカルテ』予告編

ノクソン自身が脚本・監督を務めた『心のカルテ』は、拒食症と闘う若い女性を描いた2017年のNetflix映画。自身の経験だけでなく、さまざまな摂食障害を抱える人々の苦悩をもとに制作された。

映画化に向けた資金調達では、「長編映画にするには小さすぎるテーマ」と何度も指摘されたという。しかし作品は完成し、Netflixが配信権を獲得。世界中で数千万人が視聴する作品となった。

ノクソンは、摂食障害を「小さな問題」とする見方に異議を唱える。全米摂食障害協会(NEDA)によれば、摂食障害のある人は過去20年間で世界的に2倍以上に増加しているという。

映画では、拒食症を美化しないことにも細心の注意を払った。主人公の身体を映す場面を限定し、病気がどれほど命に関わるものなのかを伝えるために使用したという。

体重減少を扱ったコンテンツへの接触が、身体への肯定感の低下や外見を否定的に評価されることへの恐怖、過食の頻度と関連していることを示した研究もある。

有害な身体イメージがもたらす影響

摂食障害の支援団体Project HEALのCEO、ホイットニー・トッターも、極端な痩身が文化的な理想として広がることへの懸念を示している。

摂食障害になりやすい人にとって、SNSや著名人の写真、GLP-1薬の認知度の高まりは、「自分の身体はまだ十分に小さくない」という思いを強め、食事制限を促す可能性があるという。

ノクソンは、アリアナ・グランデだけが問題なのではないとしながらも、彼女をめぐる議論が重要な問いを改めて突きつけたとする。

「エンターテイナーとして、私たちにはどんな責任があるのか」

もし、自分の子どもやきょうだい、友人など、影響を受けやすい人々に特定の著名人を見て憧れてほしくないと思うのなら、世界に向けて発信するコンテンツについて、もう一度考える必要があるのではないか。ノクソンはそう問いかけている。

摂食障害を何十年にもわたって経験してきた成人した子どもを持つ活動家シャノン・ワッツの言葉を引用し、ノクソンはこう締めくくっている。

「女性の身体を管理することと、誰かを救うために十分に気にかけることには、大きな違いがある」

マーティ・ノクソンは、エミー賞ノミネート歴を持つ脚本家、プロデューサー、監督、ショーランナー。『シャープ・オブジェクト KIZU-傷-:連続少女猟奇殺人事件』『ダイエットランド』『GIRLS/ガールズ』『MAD MEN マッドメン』『glee/グリー』『バフィー ~恋する十字架~』など、数多くの作品に携わっている。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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