【F1オランダGP2026】日曜レポート|ノリスがザントフォールトに別れの勝利、王室も見守った最後のオランダGP
北海の風が最後のグランプリを運んできた——フェルスタッペンの地元が、歴史の1ページを閉じる
【パート1:セレブリティ、王室、そして別れのザントフォールト】
ザントフォールトの日曜日は、単なるレースデーではなかった。このサーキットでのF1グランプリは今年が最後——来年からオランダGPはザントフォールトを離れ、新たな会場へと移る。その歴史的な節目を見届けるために、王室をはじめ多くの人々がこのオランダの海辺のサーキットに集まった。
オランダ王室が今週末のグランプリに出席し、最後のザントフォールトGPに別れを告げた。地元の英雄マックス・フェルスタッペンが走るこのサーキットへの王室の愛着は深く、最後の日曜日もその存在がパドックに特別な重みを与えた。
セレブリティの顔ぶれも今週末のムードをよく表していた。北海沿いのリゾートタウンという立地もあって、地元オランダのインフルエンサーや著名人が多数集まり、F1という国際舞台と地元コミュニティが交差する独特の空気を生んだ。モナコやシルバーストンのような国際的なスター集結とは異なる、よりローカルで温かみのある雰囲気——それがザントフォールトらしさでもあった。
そして今週末のもう一つの主役はホンダだ。新スペックパワーユニットを投入したホンダにとって、このオランダGPは重要なデータ収集の場となった。折原GMが「パフォーマンス向上を確認した」と語ったその実力が、72周のレースでどこまで発揮されるか——日本のF1ファンの注目もそこに集まっていた。そしてレーシングブルズにスポット参戦した角田裕毅も11位でフィニッシュし、存在感を示した。
【パート2:決勝レース】ノリス、波乱を制して今季2勝目——フェルスタッペンは地元で無念のリタイア
スタート45分前、ザントフォールトらしいにわか雨がサーキットを濡らした。ピレリのダリオ・マラフスキ氏は「コースは濡れているが、インターミディエイトは2〜3周でオーバーヒートしてしまう」と説明。メルセデスのトト・ウォルフ代表は「くじ引きのようなものだ」と語った。上位4台(ノリス、ラッセル、アントネッリ、ピアストリ)はミディアム、ハミルトン、ルクレール、フェルスタッペンはソフトを選択。FIAはセーフティカー先導でスタートを慎重に行った。
しかし最大のドラマは1周目に訪れた。地元の英雄フェルスタッペンがスタート・フィニッシュライン手前のバンクコーナーでコントロールを失い、左右の壁に激しく衝突。赤旗が提示された。リプレイ映像によれば、ハミルトンに押し出される形でスタート直後に芝生に入り、チームメイトのローソンとも接触していた。「ああ、これで終わりだ。すまない。大丈夫だ」と無線でかすれた声で語った——地元ファンにとって最も辛い瞬間となった。
再スタート後、ノリスは好スタートを切ったが、アントネッリにすぐさま首位を奪われた。しかし39周目にアントネッリがピットへ入ると、ノリスが先頭に浮上。52周目のターザンコーナーでアントネッリをかわし、さらにハミルトンのわずかなスリップを突いて完全に首位を確立した。VSCフェーズでのタイヤ交換機会をノリスは逃したが、それでも最終的にアントネッリに11.5秒差をつけてチェッカーフラッグを受けた。通算13勝目、今季2勝目、そしてザントフォールト最後の勝者としての名前を歴史に刻んだ。
アントネッリが2位、ラッセルが3位。ハミルトンとルクレールが4・5位でフェラーリは表彰台を逃した。アロンソが9位でアストンマーティンに貴重なポイントをもたらし、角田裕毅は11位でフィニッシュした。
アントネッリはこれでチャンピオンシップのリードを維持。ザントフォールトの最後のグランプリは、北海の風の中で幕を閉じた。次はイタリア、モンツァ。F1は本国を離れ、また新たな歴史へと向かう。
2026年F1オランダGP 決勝結果
- ランド・ノリス(マクラーレン)
- キミ・アントネッリ(メルセデス)
- ジョージ・ラッセル(メルセデス)
- ルイス・ハミルトン(フェラーリ)
- シャルル・ルクレール(フェラーリ)
- オスカー・ピアストリ(マクラーレン)
- リアム・ローソン(レッドブル)
- ニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)
- フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
- ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
- 角田裕毅(レーシングブルズ)
DNF:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
