『ジョーカー』以来の衝撃!DC『クレイフェイス』が全世界2週連続No.1、ジェームズ・ガンが仕掛ける新たな挑戦
DCスタジオが新たなジャンルに挑んだ最新作『クレイフェイス』が、世界的なヒットを記録している。10月23日に全米公開、10月30日に日本公開を迎えた本作は、全世界週末興行ランキングで2週連続No.1を獲得。11月1日時点の累計興行収入は、週末推定値で約8,300万ドル(約130億円)に達した。
「バットマン」シリーズに登場するヴィランの一人、クレイフェイスを主人公に据えた本作。しかし、描かれるのは単なる悪役の誕生ではない。ハリウッドで成功を掴みかけた俳優が、ある事件をきっかけに顔とキャリアを失い、やがて怪物へと変貌していく。その悲劇を本格的な心理スリラーとして描き出した作品である。
国内でも好調なスタートを切り、映画・ドラマ・アニメのレビューサービスFilmarksでは、初日満足度ランキング第1位を獲得。11月2日時点で観客スコアは4.1を記録している。SNSでは「恐ろしい完成度」「珠玉の大傑作人間ドラマ」「DC映画で一番好き」といった感想が寄せられ、従来のスーパーヒーロー映画とは一線を画す作風が支持を集めている。

『クレイフェイス』に見る、ジェームズ・ガン流「知られざるキャラクター」の映画化
本作の成功を語るうえで見逃せないのが、DCスタジオ共同CEOのジェームズ・ガンが掲げる映画作りの姿勢だ。
本作のチケット販売開始時、SNS上では「いったい誰が『クレイフェイス』の映画を望んだんだ?」という疑問の声も上がっていた。これに対しガンは、過去の映画を引き合いに出し、ハリウッドの映画作りについて自身の考えを表明。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『カサブランカ』『パンズ・ラビリンス』『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『マトリックス』などを挙げ、「誰がそれらを望んだのか」と問いかけた。
ガンが指摘したのは、映画は観客がすでに知っている人気キャラクターや既存の作品の中から、見たいものを選んで作るだけではないということだ。今回は、比較的知名度の低いDCキャラクター、クレイフェイスにマイク・フラナガンが着想を得て、独自の物語を構想。人気キャラクターの知名度だけに頼るのではなく、クリエイター自身の情熱や創造性から生まれる作品にこそ価値があるという考えが、その背景にある。
この姿勢は、ガン自身のキャリアとも重なる。マーベル・スタジオの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』では、当時一般的な映画ファンには馴染みの薄かった、しゃべるアライグマのロケットやグルートといったキャラクターを世界的な人気者へと押し上げた。
『クレイフェイス』もまた、広く知られたヒーローを中心に据えるのではなく、ヴィランの内面に焦点を当てることで、DCユニバースの新たな可能性を切り開こうとする試みといえる。
ジェームズ・ガンは本作のプロデューサーとしても参加。作品について「ジョン・カーペンターやデヴィッド・クローネンバーグの系譜をDCユニバースで受け継ぎ、これまでとは違う作品を作ることができた」と語っている。スーパーヒーロー映画の枠組みを超え、ホラーや心理スリラーの表現を取り入れた本作は、DCスタジオが目指す作品の幅広さを象徴する一本でもある。
顔を失った俳優は、なぜ怪物になったのか?
物語の主人公は、若き俳優マット・ヘーゲン。将来を嘱望され、俳優としての成功を目前にしていた彼は、ギャングの襲撃によって顔に深刻な損傷を負い、ハリウッドでのキャリアを絶たれてしまう。
俳優にとって、顔は自分自身を表現するための大切な存在だ。名声も仕事も、そして自分らしささえも奪われたマットは、すべてを取り戻そうともがく。やがて、その切実な願いは強烈な執着へと変わり、彼を取り返しのつかない運命へと導いていく。

主演を務めるのは、トム・リス・ハリス。共演にはナオミ・アッキー、デヴィッド・デンシック、マックス・ミンゲラ、エディ・マーサンら実力派が名を連ねる。
物語を手がけたのは、『ドクター・スリープ』のマイク・フラナガン。脚本はホセイン・アミニが担当し、『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』のジェームズ・ワトキンスが監督を務めた。製作には、『THE BATMAN-ザ・バットマン-』のマット・リーヴスをはじめ、ジェームズ・ガンらが名を連ねている。

本作が注目される理由の一つは、ヴィランを単なる恐怖の対象としてではなく、怪物になるまでの過程を持つ一人の人間として描いている点だ。国内の映画メディアからも「スーパーヴィラン誕生の映画としては『ジョーカー』以来の衝撃」「痛切で美しいモンスター映画の新たな傑作」といった評価が寄せられている。
特殊メイクとVFXが描き出す、恐ろしくも哀しい変貌
このたび公開された特別映像「恐怖と狂気の世界」では、マットの人生を大きく変える出来事と、彼が怪物へと変貌していく過程が映し出される。
「僕は怪物だ」というマットの言葉とともに始まる映像。顔に手を当てた瞬間、目も鼻も消え、異様な顔へと変わる衝撃的なシーンが登場する。
ギャングの襲撃によって顔を損傷し、深くフードを被って孤独に歩く姿。失われたキャリアを取り戻そうと裁判所へ向かう姿や、自身に関するゴシップ記事に心を痛め、雑誌を破り捨てる姿からは、彼が抱える絶望と孤独が伝わってくる。
さらに、禁断の薬剤を注入したマットの顔には、次々と異様な凹凸が隆起。グロテスクな肉塊が元の面影を覆い尽くしていく。特殊メイクとVFXを駆使した変貌描写は、視覚的な恐怖を生み出す一方で、彼が自分自身を失っていく悲しみをも強烈に印象づける。
主演のトム・リス・ハリスは「脚本が素晴らしくて、先の展開を予想するけど毎回裏切られる。この映画には誰もが度肝を抜かれるよ」とコメント。予測不能な展開と、観客の想像を超える映像表現に自信をのぞかせている。


DCスタジオが切り開く、新たな映画の可能性
『クレイフェイス』が描くのは、怪物が生まれる瞬間だけではない。成功への渇望、容姿によって価値を判断される世界への絶望、そして失ったものを取り戻したいという人間の切実な欲望である。
知名度の高いヒーローだけでなく、これまで光の当たりにくかったキャラクターにも独自の物語を与える。ジェームズ・ガンが掲げる映画作りの姿勢と、マット・ヘーゲンという一人の男の悲劇を描く本作には、DCスタジオの新たな方向性が表れている。
全世界2週連続No.1という興行的な成果に加え、観客からも高い評価を獲得している『クレイフェイス』。スーパーヒーロー映画の枠を超えた心理スリラーとして、そして一人の人間が怪物へと変貌するまでを描いた悲劇として、DCスタジオが提示する新たな挑戦に注目したい。
映画『クレイフェイス』は大ヒット上映中。
【作品情報】
■脚本:マイク・フラナガン、ホセイン・アミニ
■製作:マット・リーヴス、リン・ハリス、ジェームズ・ガン、ピーター・サフラン
■出演:トム・リス・ハリス、ナオミ・アッキー、デヴィッド・デンシック、マックス・ミンゲラ、エディ・マーサン ほか
■全米公開:2026年10月23日
■原題: CLAYFACE
■上映時間:1時間48分
■レイティング:R15+
■配給:東和ピクチャーズ・東宝
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