日本発の作品も！米『ハリウッド・リポーター』の批評家が選ぶ2023年の映画ベスト10

今夏、『バービー』と『オッペンハイマー』が大ヒットし、世界中の観客はお祭り騒ぎとなった。しかし、2作品が生み出した社会現象を除けば、映画業界はネガティブなニュースに苦しめられた1年だった。

脚本家・俳優同時ストで制作が5か月もの間ストップし、『デューン砂の惑星 PART2』といった大作のスケジュールにも影響をもたらした。公開計画の混乱による波及効果は、今後1～2年で表れることとなるだろう。

また興行的な面でも、ホラー以外の作品はコロナ前の勢いを取り戻すことが中々できなかった。『マーベルズ』や『ザ・フラッシュ』などこれまで稼ぎ頭だったスーパーヒーロー映画も、今年はしばしば不発に終わった。

それでも、今年のベストを10作品に絞るのはこれまで以上に困難を極めた。いつも通り、選出作品はサンダンスやカンヌなどの映画祭で発掘したものがずらりと並んでいる。

今年は、幸先の良いデビューを飾った女性監督たちを称えるべき1年となった。彼女たちの映画作りは、テーマの完成度に加え、主役の女性から心をくぎ付けにする演技を引き出す能力と調和している。

リスト入りしたセリーヌ・ソン監督『パストライブス/再会』とサヴァナ・リーフ監督『アース・ママ』のほか、『オール・ダート・ロード・テイスト・オブ・ソルト』（レイヴン・ジャクソン監督）や『リアリティ』（ティナ・サッター監督）なども、その好例だ。

2023年は映画にとって素晴らしい年で、リストを2倍は長くすることもできただろう。（デヴィッド・ルーニー）

デヴィッド・ルーニーのトップ10

1.『パストライブス/再会』
2.『哀れなるものたち』
3.『異人たち』
4.『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
5.『枯れ葉』
6.『The Zone of Interest』
7.『ショーイング・アップ』
8.『落下の解剖学』
9.『PERFECT DAYS』
10.『パッセージ』

選外佳作: 『Afire』、『American Fiction』、『君たちはどう生きるか』、『アース・ママ』、『ゴッドランド/GODLAND』、『マエストロ: その音楽と愛と』、『オッペンハイマー』、『Priscilla』、『ポトフ美食家と料理人』、『Totém』

ジョン・フロッシュのトップ10

1.『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
2.『落下の解剖学』
3.『パッセージ』
4.『Afire』
5.『May December』
6.『枯れ葉』
7.『ショーイング・アップ』
8.『The Zone of Interest』
9.『ココモ・シティ』
10.『異人たち』

選外佳作: 『アステロイド・シティ』、『The Holdovers』、『マエストロ: その音楽と愛と』、『メニュー・プレジール～レ・トロワグロ』、『オッペンハイマー』、『Other People’s Children』、『パストライブス/再会』、『哀れなるものたち』、『Totém』、『You Hurt My Feelings』

ロヴィア・ジャルキーのトップ10

1.『ショーイング・アップ』
2.『オール・ダート・ロード・テイスト・オブ・ソルト』
3.『アース・ママ』
4.『パッセージ』
5.『Our Body』
6.『メニュー・プレジール～レ・トロワグロ』
7.『落下の解剖学』
8.『枯れ葉』
9.『神さま聞いてる? これが私の生きる道?!』
10.『Totém』

選外佳作: 『君たちはどう生きるか』、『Fair Play/フェアプレー』、『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』、『May December』、『怪物』、『オッペンハイマー』、『Orlando, My Political Biography』、『Our Father, the Devil』、『A Still Small Voice』、『A Thousand and One』

シェリ・リンデンのトップ10

1.『ショーイング・アップ』
2.『May December』
3.『落下の解剖学』
4.『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
5.『パストライブス/再会』
6.『オッペンハイマー』
7.『パシフィクション』
8.『アステロイド・シティ』
9.『パッセージ』
10.『The Disappearance of Shere Hite』

選外佳作: 『君たちはどう生きるか』、『A Compassionate Spy; The Delinquents』、『マエストロ: その音楽と愛と』、『Occupied City』、『The Peasants』、『Rodeo ロデオ』、『ポトフ美食家と料理人』、『The Teachers Lounge』、『The Unknown Country』

※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら。翻訳／和田萌