『REBEL MOON — パート2』レビュー:名作へのオマージュ、または“パクリ”?
ザック・スナイダー監督『REBEL MOON — パート2: 傷跡を刻む者』の重要な点は、観る者の視点によって、『七人の侍』や『スター・ウォーズ』など過去の大作にオマージュを捧げているか、はたまた大胆にパクっているかのどちらかになるところだろう。
シリーズの上映時間を合計すると4時間以上になるが、これは驚くことではない。なぜなら、「パート2」はスウェーデンのアート映画よりも長く感じられるほど、キャラクターたちが穀物を収穫するシーンに時間が割かれているのだ。
また、舞台設定はパラレルワールドだが、宇宙船や技術的に進んだ武器が登場することを考えると、農具が大鎌しかないのは少し不合理に思える。とはいえ、鍛え上げられた俳優たちが、それらを振るう姿は画面映えしている。
「パート2」では前作に引き続き、帝国主義のマザーワールドから壊滅の危機にさらされている惑星ヴェルトに住む農民たちの姿が描かれる。帝国軍を率いる“ダース・ベイダー”風のノーブル提督(エド・スクライン)は、前作での臨死体験の後、再び目を覚ました。
一方、農民たちは、コラ(ソフィア・ブテラ)の指揮で戦闘部隊へと変貌。コラは、ネメシス(ペ・ドゥナ)、タラク(スタズ・ネアー)、農民のガンナー(ミキール・ハースマン)、元帝国軍将軍のタイタス(ジャイモン・フンスー)ら戦士たちからなる傭兵チームを結成しており、ロボットのジミー(声:アンソニー・ホプキンス)は今回最高の演技をみせている。
「パート1」全体が準備段階だと思っていると、続編がさらなる準備段階だと知って、がっかりするかもしれない。しかし今回は少しテンポが速くて、上映時間の約半分に及ぶ長い戦闘シーンが繰り広げられる。だが、スナイダーの特徴であるスローモーションを多用し過ぎているため、通常のスピードで上映されたら映画は短くなるはずだと感じるだろう。
1作目は印象的なプロット要素やキャラクターの欠如で厳しく批判されたが、それらの側面を改善した点はあまり見られない。一方で、俳優たちは肉体的に過酷な役柄に見事に取り組んでいる。特に、制御不能の宇宙船で行われるブテラとスクラインによる接近戦は、注目に値する。
スナイダーは、2部作のR指定ディレクターズ・カット版を近日中に配信すると発表しており、それぞれ3時間ほどの長さになるという。それでは、監督の完全なお墨付きを得ていない現在配信中のバージョンをわざわざ観る必要はあるのだろうか?
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※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌