【メットガラ2026】今年のベストルックは誰?セレブのファッションを徹底解説――芸術的衣装から衝撃ルックまで
現地時間5月4日(月)、ファッション界最大の祭典であるメットガラ2026が、ニューヨークのメトロポリタン美術館で開催された。今年のテーマである「コスチューム・アート」にちなみ、会場には自由で多彩なスタイリングをまとったスターたちが集った。
しかし、そのすべてが万人に受け入れられたわけではない。中には、一見奇妙で難解に思えるファッションもあった。たしかに「アート」の解釈は難しく、テーマに沿わないスタイリングや、誇張しすぎてコスプレ化してしまったスタイリングも見られ、「カオス」な雰囲気が漂っていた。
とはいえ今年のメットガラは、「カオス」だからこそ最高のエンタメでもあった。潤沢な資金とファッション界とのつながりを持つセレブたちが、奇抜な装いで競演する様子からは目が離せなかった。
メットガラ2026は“自由”と“創造性”の祭典――セレブたちの芸術的ファッションが集結
メットガラ2026における最大のサプライズの一つは、アマゾン創業者であるジェフ・ベゾスの妻、ローレン・ベゾス・サンチェスの存在だ。サンチェスは、片方の肩からシャンデリアのようなクリスタルストラップが垂れた、スキャパレッリの黒のフィッシュテールガウンで登場し、控えめなスタイルを披露した。このデザインは、1884年のジョン・シンガー・サージェントの名画『マダムXの肖像』へのオマージュだ。この絵画は、肩を露出した女性を描いたことで物議を醸した。

なお、アマゾンは劣悪な労働環境を放置しているとされるほか、ICE(米移民・関税執行局)を支援していることから、今年のメットガラはスポンサーであるベゾス夫妻への抗議運動が各地で起こった。ボイコットを呼びかけるポスターが駅に貼られ、会場外ではデモが行われた。また、同日昼には対抗イベント「億万長者不在の舞踏会(the Ball Without Billionaires)」が開催された。
さらに驚きをもたらしたのが、バッド・バニーだ。32歳のバッド・バニーは、白髪に白いひげ、濃い眉、しわだらけの顔、そして杖という老人のような出で立ちで登場し、「セレブは常に若さを誇示するもの」というイメージを覆した。
また、マスクで素顔を隠して登場したスターもいた。メットガラで常に話題をさらってきたケイティ・ペリーは、今年は鏡張りのフェンシングマスクのようなお面を着用し、意外性をアピールした。

グウェンドリン・クリスティーは、パートナーであるデザイナーのジャイルズ・ディーコンによる真紅のドレスに加え、自身の顔をかたどったマスクを手にして登場した。
また、鎧のように硬いコルセットや胸当てをドレスに組み込み、顔のみならず体を覆ったスタイリングも見られた。ジャネール・モネイは彫刻や機械を思わせるドレスを着用。まるでマルセル・デュシャンを想起させるコンセプトで、今年のテーマ「コスチューム・アート」にふさわしい一着だが、決して着心地は良くないだろう。
キム・カーダシアンが着用したセンセーショナルな金属製のドレスは、まさに自動車の板金工場で仕上げられたものだという。円錐形の胸当てはジャン=ポール・ゴルチエのもので、メタリックオレンジの色彩が絶大なインパクトを放っていた。こうした「ヒーロー映画の女戦士」のような出で立ちは、この夜のトレンドの一つでもあった。
- グウェンドリン・クリスティー、メットガラ2026にて=現地時間2026年5月4日 写真:Mike Coppola/Getty Images
- ジャネール・モネイ、メットガラ2026にて=現地時間2026年5月4日 写真:Dimitrios Kambouris/Getty Images
- キム・カーダシアン、メットガラ2026にて=現地時間2026年5月4日 写真:Gilbert Flores/Variety via Getty Images
芸術か?コスプレか?――“攻め”のハイファッションで明暗分かれる
特筆すべきは、ここでしか見られない芸術的な衣装たちだろう。これらを「奇抜」と見るか、「芸術」と見るか、感じ方は分かれるかもしれない。レナ・ダナムは真紅のスパンコールドレスに、ヴァレンティノによる蛇のようにうねるフェザーボアを合わせた。
そしてマドンナは、イヴ・サンローランによる魔女のようなドレスを着用した。このルックは、イギリスのシュルレアリスム画家レオノーラ・キャリントンの1945年の作品『聖アントワーヌの誘惑』へのオマージュだという。
一方で、高級ブランドのルックの中にも、“コスプレ化”してしまったものはあった。テヤナ・テイラーは、ハイダー・アッカーマンが手がけたトム・フォードのシルバーフォイルのフリンジをまとったが、合わせたウィッグが奇抜で、クリスマスツリーのような印象になっていた。
ニコール・キッドマンはシャネルによる真紅のパフドレスを着用したが、彼女の細身の体型にはやや合っていないシルエットに感じられた。
- マドンナ、メットガラ2026にて=現地時間2026年5月4日 写真:Gilbert Flores/Variety via Getty Images
- テヤナ・テイラー、メットガラ2026にて=現地時間2026年5月4日 写真:Dimitrios Kambouris/Getty Images
- ニコール・キッドマン、メットガラ2026にて=現地時間2026年5月4日 写真:Jamie McCarthy/Getty Images
しかし、リアーナが着用したメゾン・マルジェラのメタリックなラップドレスは、未来的でやや奇抜だが、彼女に見事にマッチしていた。その彫刻的なシルエットは、「身体を彫刻として捉える」という今年のテーマを見事に体現したスタイリングの一つだ。
リアーナとともに登場したエイサップ・ロッキーは、シャネルによるベビーピンクのバスローブ風コートを着用。この衣装は、先日、2人の間に女の子が誕生したことにちなんでいる。色味が柔らかくフェミニンで、ジェンダーの曖昧さを表現していた。今年登場したシャネルのルックの中でも、特に印象的な一着だったと言える。

ビヨンセは、オリヴィエ・ルスタンが手がけた、シルバーの骸骨を思わせる“全身ダイヤ”の装いで登場。女王たるビヨンセにふさわしいと言うべきだが、果たして彼女にそこまでの演出が必要なのかという疑問も残る。このルックは、バルマンやカーダシアン家の支援を受けてきたルスタンの独立を象徴する一着でもある。

メットガラ2026のベストルックは?近未来風から実験的素材まで総まとめ
さらに印象的だったルックをいくつか紹介しよう。男性陣では、映画『マトリックス』(1999年)の世界観を思わせる場面が目立った。デザイナーのアレキサンダー・ワンは、自身が開発したヒューマノイドロボットとともに、自身のブランドのエナジードリンクを飲みながらレッドカーペットに登場した。
アーノルド・シュワルツェネッガーの息子であるパトリック・シュワルツェネッガーは、パブリックスクールによるコルセットスタイルに杖を合わせ、父親との差別化を図る大胆なスタイルを披露した。

スターが“他のスター”に寄せたような装いも見られた。アマンダ・サイフリッドは高いポニーテールでアリアナ・グランデを彷彿とさせ、クリスティン・テイラーはリース・ウィザースプーン風のヘアスタイルを披露した。
さらに、さまざまな素材を用いた実験的なルックも多数登場。ケンダル・ジェンナーが着用したギャップによるギリシャ風ガウンは、ドレープ状に加工されたTシャツ素材を使用したものだ。サブリナ・カーペンターが着用したディオールのドレスは、映画フィルムの断片を使用している。いずれも奇抜な素材ながら、見事な仕上がりだった。

そして、この夜のベストスタイリングを決めるなら、グレイス・ガマー(ガブリエラ・ハースト着用)やジュリアン・ムーア(ボッテガ・ヴェネタ着用)、ヘイリー・ビーバー(イヴ・サンローラン着用)、ゾーイ・クラヴィッツ(イヴ・サンローラン着用)、ケンダル・ジェンナーらの名が上がるだろう。彼女たちは、アート性とシックさを見事に融合させており、これは決して簡単なことではない。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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