山崎貴監督、『ゴジラ-0.0』続編の可能性は「五分五分」!ハリウッド進出を前に語った本音
『ゴジラ-1.0』でアカデミー賞視覚効果賞を受賞し、アメリカで公開された日本の実写映画として歴代最高の興行収入も記録した山崎貴監督。
ハリウッドからのオファーが相次ぐなか、監督はあえて続編『ゴジラ-0.0』を最優先に選んだ。大きな成功のあとでもプレッシャーに縛られず、アメリカ向けに寄せることもなく、国内の観客に向けて「今の日本にとって大切な物語」を描くことを貫いたという。
山崎監督は米『ハリウッド・リポーター』の取材に応じ、『ゴジラ-0.0』で描かれたキングギドラとの対決、ジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督のカメオ出演の舞台裏、そして次回作の可能性について語った。
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――アカデミー賞を受賞した『ゴジラ-1.0』の成功のあと、『ゴジラ-0.0』に取り組むと決める前に、ほかの作品のオファーもありましたか?
『ゴジラ-1.0』の成功には、本当に感謝しています。ハリウッドの数多くのプロデューサーや、非常に有名な方々から声をかけていただきました。すぐにでも飛びつきたいと思うような企画もいくつかありました。ただ、『ゴジラ-0.0』には描きたい物語とテーマがあったので、まずはこの作品を手がけなければならないと感じていました。ですから、ほかの魅力的な企画はすべて脇に置くことにしたのです。

――『-1.0』への並外れた反響を考えると、『-0.0』を作る際には、かなり大きなプレッシャーを感じましたか?
僕は、プレッシャーを感じ始めた時点で負けだと思っています。大きな成功のあとは、誰もが前作を超えたいと考えるので、どうしても固まってしまいがちです。力が入りすぎると、その硬さが作品を濁らせますし、本当は望んでいない妥協をするようになります。そうなると、本当に面白く、引き込まれる映画を作ることは不可能になってしまいます。
僕は『-1.0』のことをあまり意識しないようにしましたし、チームにもそうするように伝えました。「みんな、拳を握りしめるのはやめよう。少し肩の力を抜こう」と言ったんです。もちろん、そうした意識を完全になくすことは不可能です。それでも、『-0.0』を作る最大の動機は『-1.0』を上回ることではなく、ただすばらしい映画を作ることなのだという点では、チーム全員の認識を一致させることができました。
――『-1.0』は、アメリカで公開された日本の実写映画として、興行収入が歴代最高にもなりました。アメリカでの受け入れられ方は、『-0.0』の執筆に影響を与えましたか?
アメリカの観客の皆さんが『ゴジラ-1.0』を心から好きになってくださったことには、とても感謝しています。僕にとっては非常に大きな出来事でした。僕自身が昔からハリウッド映画を愛してきたことに遡りますが、70年代には、映画館に通ってハリウッドのSF映画を片っ端から観ていました。それが僕の原点の一部なんです。そうした映画を作ってきた監督やプロデューサーの方々が、今度は僕の作品を観てくれている。そう思うと、うれしくてたまりませんでした。
その波に乗ることは簡単でしたし、ある場面では、正直とても誘惑にかられました。ただ、そうした感情はいったん脇に置いて、『-1.0』がなぜこれほど多くの人の心に響いたのかを考える必要がありました。僕は、世界中の観客を取り込もうとはまったく考えていなかったからこそ、この作品が独特なものになったのだと思います。国内の観客に向けて映画を作ろうとしたことが、最大の強みになったのです。
ですから、その原点を大切にしたいと思いました。言葉は悪いのですが、『-1.0』のアメリカのファン向けにあつらえた作品を作って魂を売るようなことはせず、今を生きる日本人にとって大切だと感じられる物語を語りたかったのです。

――『-0.0』の回想シーンが『-1.0』の出来事を新たな文脈で捉え直している点がすばらしいと感じました。続編を作るうえで、そこは最も関心を惹かれた要素のひとつでしたか?
『ゴジラ-1.0』の制作中は、映画で描いた物語の裏側で何が起きていたのか、はっきりとしたイメージを持っていませんでした。ところが、そのあと『ゴジラ-0.0』の製作が決まってから、少し深く掘り下げ始めて、「もしかすると、『ゴジラ-1.0』の裏側では、ずっとこんなことが起きていたのではないか」と考えるようになったのです。
さらに想像を深く掘り下げていくと、なかにはかなり恐ろしいアイデアもありました。もちろん映画にとってはすばらしいことでしたが、『ゴジラ-1.0』の出来事のさなかに、ほかの人々が何を経験していたのかを考えると、本当に怖くなりました。
こうした出来事が世界観を肉付けし、『ゴジラ-0.0』に物語を前に進めるたくさんの要素をもたらしてくれました。いわば空白を埋めていく作業は僕にとってとても楽しく、当時は知らなかった出来事を描く機会にもなりました。

――ゴジラとキングギドラの戦いを描くにあたり、自分なりの描き方で差別化するために、過去の両者の対決シーンを見直しましたか?
実は、ゴジラとギドラが戦う過去の作品は、意識的に観ないようにしました。自分が想像したとおりの、まったく新しい体験を作りたかったからです。そうした姿勢を保ってはいたものの、やはり、特定の場面を思い出さずにいることは不可能です。ですから、意識的に昔の作品を振り返らないようにしてはいても、どうしても影響は受けてしまっています。
しかも、これは日本で作られたゴジラ映画に限った話ではありません。ハリウッドの映画スタジオ・レジェンダリーが手がけたキングギドラの解釈も、頭をよぎりました。
これまでにそうした作品をすべて観てきたので、特定の瞬間が記憶に焼きついているんです。映画そのものであれ、ポスターであれ、この作品を作っているあいだ、ある構図や場面が頭に浮かんでくるのを止められませんでした。ですから、過去の何かを再現することなくキングギドラの戦いを想像しようとしましたが、自然と、いわば浸透するようにして、そうした昔の場面がいくつか入り込んでしまったのだと思います。

――『キングコング:髑髏島の巨神』のジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督が『-0.0』に出演しています。このカメオ出演はどのようにして実現したのですか?
ジョーダンはかなり頻繁に日本を訪れているんです。ある来日の際に連絡をくれて、一緒に夕食をとることになりました。そのとき彼が、「次に手がけているゴジラ映画に、ぜひ出演したい」と言ったんです。僕は「日本にいるなら、どこかのシーンに出てもらえるかもしれませんね」と答えました。
ただし、出るなら「役柄上必要だから、ヒゲを剃ってもらわないといけません」と伝えました。彼がヒゲをとても大切にしていることは知っていましたが、この映画にカメオ出演したいという思いは、それを上回っていたのかもしれません。
結局、彼はこちらの条件をすべて受け入れてくれました。ヒゲを剃り、「この日に撮影します」と伝えると、わざわざ日本まで来てくれたんです。そのとき、「これは参ったな、このシーンにはぜひ彼を入れないといけない」と思いました。
そのシーン自体は、感情面で非常に繊細なメッセージと瞬間を含んでいます。ジョーダンはすばらしい演技をしてくれました。彼は芝居ができるんですよ。ですから、最終的にはとてもいい形でシーンが仕上がりました。

――次回作はハリウッドデビュー作となる『グランドギア(原題)』と伝えられていますが、今回の『-0.0』はさらなる物語の余地を残しています。いつか『ゴジラ+1.0』で三部作を締めくくるつもりはありますか?
(笑)現時点では、五分五分といったところです。今の結末には、とても満足していますし、気に入っています。観客の皆さんがどう受け取り、何を持って劇場をあとにするのか、その解釈を委ねる形になっています。
とはいえ、『ゴジラ-0.0』が私にとって最後のゴジラ映画になるとしたら、少し寂しいですね。『Grandgear』をはじめ、ほかにも予定している作品はありますが、キャリアのどこかで、ぜひもう一度ゴジラに立ち返って、この世界をどう広げていけるかを探ってみたいです。
――最後に、『グランドギア(原題)』が英語作品でのデビュー作にふさわしい企画だと考えた理由を教えてください。
僕は長いあいだ、『グランドギア』のような映画を作りたいと思ってきました。これは、メカというジャンル、つまり巨大ロボット映画を実写化する作品です。日本では、このジャンルはアニメーションでかなり徹底的に描かれてきましたが、実写ではほとんど手がけられてきませんでした。ですから、ずっとやってみたいと思っていたことなんです。
ただ、大規模な作品であり、それを製作するために必要なことを考えると、全員が日本人のキャストで、メカのパイロットも日本人というかたちは、なかなか思い描きにくいものでした。そこで、「もしかすると、今こそハリウッドとの共同製作でデビューし、実写で撮るタイミングなのかもしれない」と考えたんです。
そして企画を持ちかけ始めると、J・J・エイブラムスさんがこのプロジェクトの可能性に大きな熱意を示してくれました。それで、「ああ、まさに絶好のタイミングかもしれない」と思いました。
ハリウッド映画を撮ることや、日本との共同製作であることなどを最優先にしていたわけではありません。むしろ、そのときたまたま自分が撮りたいと思っていた種類の映画に、周囲の環境がうまく合致した、ということなのです。
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映画『ゴジラ-0.0』は、大ヒット上映中。
【動画】『ゴジラ-0.0』ファイナル予告
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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