アレック・ボールドウィン、『Rust』訴訟で大部分の訴え棄却──米判事が検察官免責を適用
『ラスト(原題:Rust)』撮影中に撮影監督ハリーナ・ハッチンズが死亡した事故をめぐり、アレック・ボールドウィンがサンタフェ当局を相手取り、悪意ある訴追や公民権侵害を訴えていた民事訴訟で、米連邦判事が請求の大部分を棄却した。
アレック・ボールドウィン、『ラスト』訴追をめぐり検察当局を提訴
アレック・ボールドウィンは、2021年に映画『ラスト』の撮影現場で起きた銃撃事故をめぐる刑事訴追について、ニューメキシコ州サンタフェの当局者らが自身に不利になるよう証拠を扱い、刑事責任を問おうとしたとして、民事訴訟を起こしていた。
ボールドウィンは、サンタフェ郡地方検事メアリー・カーマック=アルトウィーズと特別検察官カリ・モリッシーが、自身の無罪を裏付ける可能性のある証拠を意図的に隠し、証拠を操作したほか、虚偽の証言を引き出したと主張。政治的な利益を得るため、自身を事件の責任者として仕立て上げ、起訴・有罪判決に持ち込もうとしたとしていた。
今回の訴訟は、2024年7月にボールドウィンの刑事裁判が突然打ち切られたことを受けて提起されたもの。裁判では、撮影現場で使用された銃器に関する証拠の扱いが大きな争点となった。
『ラスト』裁判で問題となった実弾の証拠
刑事裁判では、アリゾナ州の元警察官トロイ・テスキーがサンタフェ郡保安官事務所に提出した実弾をめぐり、警察と検察による証拠の取り扱いが問題となった。
これらの実弾は『ラスト』事件の証拠として正式に記録されておらず、ボールドウィンや、銃器担当者として起訴されたハンナ・グティエレス=リードの弁護側にも開示されていなかった。
その後、刑事裁判を担当した判事は、検察側が弁護側に重要な証拠を「意図的かつ故意に」開示しなかったと判断。モリッシーについても、証拠開示義務を繰り返し果たさなかったほか、問題となった証拠について「一貫性のない」証言をしたと指摘した。
こうした経緯から、ボールドウィンの訴訟では、検察側による証拠の不開示や虚偽の証言などが、民事上の責任を問える行為にあたるかが争われていた。
判事、「検察官免責」を理由に訴えを棄却
今回、米連邦地裁のキア・リッグス判事は、検察官としての職務の範囲内で行われた行為には「絶対的な検察官免責」が適用されるとして、検察側に対する請求の大部分を棄却した。
リッグス判事は、今回の刑事事件について「非常に憂慮すべき悪意ある訴追の様相」が示されているとしながらも、検察官の職務上の行為については民事責任から保護されるとした。
また、銃器に関する分析結果の不開示や、発射された銃の引き金部分に説明のつかない工具痕があったとする分析結果の扱い、裁判での証拠不開示や虚偽の証言についても、検察官免責の対象になるとの判断を示した。
判事は、検察官による「不正直あるいは悪意のある」行為について正当な主張が存在し得ることを認めつつも、司法制度そのものを機能させることが優先されると説明。重大な不正行為を含むケースであっても、検察官免責が適用される場合があるとの見解を示した。
『ザ・トライアル・オブ・アレック・ボールドウィン』が10月米公開へ
一方、ボールドウィンと『ラスト』をめぐる一連の出来事は、今後も映像作品として描かれる。
来月には、ハリーナ・ハッチンズの死亡事故と、その後に巻き起こったメディアの過熱報道、そしてボールドウィンが長年にわたり直面してきた法廷闘争を追ったドキュメンタリー『ザ・トライアル・オブ・アレック・ボールドウィン(原題:The Trial of Alec Baldwin)』が米劇場公開される予定だ。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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