【カンヌ国際映画祭2026】『急に具合が悪くなる』のヴィルジニー・エフィラ&岡本多緒が女優賞、岡本は日本人初の快挙に「夢さえも超えています」
第79回カンヌ国際映画祭のクロージングセレモニーが5月23日(現地時間)に行われ、濱口竜介監督の『急に具合が悪くなる』に主演のヴィルジニー・エフィラ、岡本多緒が最優秀女優賞を受賞した。
▼カンヌで快挙!ヴィルジニー・エフィラと岡本多緒が最優秀女優賞を受賞

日本人としてカンヌ史上初となる女優賞の快挙に、岡本は「まるで夢さえも超えています。本当にありがとうございます。私の期待をはるかに超えるものでした。心から感謝します」と感激。ヴィルジニー・エフィラも、「感謝と敬意、そして愛をすべて濱口竜介さんに捧げます」と喜びに浸った。
【動画】『急に具合が悪くなる』主演ヴィルジニー・エフィラ&岡本多緒がW受賞
『急に具合が悪くなる』は、文化人類学者の磯野真穂氏とがんを患った哲学者の宮野真生子氏による同名往復書簡集が原作。舞台をフランスに置き換え、介護施設長のマリー=ルーと舞台演出家の真理が、同じ名前の響きを持つことから共鳴し心を通わせていく濃密な時間を描く。
5月15日に行われた公式上映では、14分にわたるスタンディングオベーションで歓迎され、2人はハグをして感動を分かち合った。上映時間3時間16分の大作だが、「この作品がもたらす体験には、それだけの時間を“待つ”価値がある」(米『ハリウッド・リポーター』)など絶賛のレビューが相次ぎ、注目を集めていた。
▼濱口竜介監督への感謝を語る受賞コメント&共演陣からの祝福の声

岡本は、「私が今日ここにいるのは、本当にすばらしい監督のおかげです。そして脚本、演出、そして支えがあったからこそです。私たちふたりだけではなく、スタッフ全員、そして出演者全員に対する愛と敬意がありました」と感謝。続けて、「毎日、撮影現場でその愛を感じることができたのはすばらしい経験であり、この道を歩み続ける勇気を与えてくれました」と笑顔で話した。
一方のエフィラも、「状況がいかに絶望的でも、それを変えることを諦めないこと。濱口監督は常にそこを見つめていました。彼は私たちの最高の部分を見つめてくれて、その部分がより一層存在感を増していった」と説明。そして、「濱口監督が私たちに冒険をさせてくれた時間だったのかもしれません。いや、冒険という言葉では小さすぎます。一生忘れられない、永遠に心に刻まれる人生経験でした」と喜びをかみしめた。

濱口監督は、「本当にすばらしいし、うれしいです」と称賛。「このおふたりだからこその映画だと思います。宮野真生子さんと磯野真穂さんの魂を引き継ぐような形で、おふたりが演じてくださった。それをカンヌ国際映画祭が評価してくれたのだと思います」と分析した。
共演した長塚京三と黒崎煌代も祝福。長塚は「やりましたね。すばらしい。世界最高峰の受賞。ご一緒できた私も誇らしく、幸せな気分ではち切れそうです。高らかに乾杯しましょう」、黒崎は、「感動するとともに、心から納得いたしました。おふたりのお芝居はこれまで見たことのない表現で、撮影中も、そして完成した作品を見た時も何度も胸を打たれました」とコメントを寄せた。
映画『急に具合が悪くなる』は、6月19日に全国で公開される。
記事:The Hollywood Reporter Japan 特派員 鈴木元

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