SNKゲーム『餓狼伝説』『龍虎の拳』がハリウッド進出!映画・アニメ・漫画の大型メディアミックス展開が始動
日本のゲームメーカーSNKは、1990年代に『餓狼伝説』や『龍虎の拳』をはじめとする数々の人気アーケードゲームを生み出した。現在、ハリウッドでこれらのゲームの映像化プロジェクトが進行している。
SNKは制作スタジオ「The Arena(旧:Arena SNK)」と提携し、『餓狼伝説』『龍虎の拳』をはじめとする人気ゲームのメディアミックス展開を進めている。
SNKゲーム『餓狼伝説』『龍虎の拳』がハリウッドへ!新スタジオ「The Arena」が映画・アニメ・漫画を展開
SNKが生み出した『餓狼伝説』や『龍虎の拳』などのアーケードゲームの多くは、架空のアメリカ都市「サウスタウン」を舞台としている。そして現在、これらのIPが本格的にアメリカ進出を果たそうとしている。
主導するのは、今年1月に正式に始動した独立系制作スタジオ「The Arena」だ。このスタジオは、元大手スタジオ幹部からプロデューサーへ転身したエリック・フェイグが設立した。
同スタジオでは、『餓狼伝説』『龍虎の拳』『メタルスラッグ』『サムライスピリッツ』といったSNKの人気IPのメディアミックスプロジェクトが進められている。その展開は映画にとどまらず、テレビシリーズ、アニメ、漫画など幅広いメディアに及ぶ。
同スタジオには、元ユニバーサル幹部のマット・ライリー、元クランチロール幹部のマルクス・ゲルデマンらも参加。単なる映像化にとどまらず、作品や関連プロダクトを通じて熱狂的なファンコミュニティとポップカルチャーの拠点構築を目指している。
フェイグは、「私たちはゲームやアニメ、アクションエンターテインメントが交差する場所から生まれた、新たなスタジオです。その最も重要な指針の一つは、ファンコミュニティを発掘し、できるだけ早い段階から継続的に、あらゆる場所へ確実に作品を届けることです」と語る。
豊かな世界観が魅力――『餓狼伝説』映画に実力派監督・脚本家らが参加
SNKのゲーム群は犯罪や格闘技をテーマにした世界観で知られ、映画監督の三池崇史やクエンティン・タランティーノ、さらには『ストリートファイター』シリーズや『グランド・セフト・オート』シリーズといったゲーム作品にも影響を与えたとされる。

SNK作品はキャラクター性とストーリー性を重視した作風が特徴で、これらは映像作品の世界観構築にとって大きな強みになるという。フェイグは次のように説明した。
「“サウスタウン”には熱心なファンがおり、魅力的な物語とキャラクターが揃っています。何より、まだ掘り下げる余地が大きいのです。これらは単なる格闘ゲームではありません。アニメファンや感動的な映画を好む人、重厚なクライムドラマや冒険譚が観たい人、さらには総合格闘技が好きな人にも響く作品群です」
映画部門では現在、『餓狼伝説』の脚本制作が本格的に進められている。同作の主人公は、テリー・ボガードとアンディ・ボガードの兄弟。サウスタウンの犯罪王ギース・ハワードに義父ジェフを殺害された2人は、復讐を果たすため、長年の修行を経て格闘トーナメントの舞台に復帰する。
脚本は、『ダークナイト』3部作(2005~2012年)の原案や、Apple TVのドラマ『ファウンデーション』(2021年~)の製作総指揮として知られるデイヴィッド・S・ゴイヤーが担当する。
『餓狼伝説』オリジナルスピンオフとアニメシリーズも制作
また、スピンオフ映画『ギース(原題:Geese)』の企画も進行中だ。こちらは『ゴッドファーザー』シリーズから着想を得たギース・ハワードの前日譚になるという。暴力と裏切りに満ちた裏社会で育った彼が、やがてサウスタウンを支配する冷酷な悪役へ変貌していく過程を描く。
監督・脚本は、ベニチオ・デル・トロとジャスティン・ティンバーレイク主演のNetflix映画『レプタイル -蜥蜴-』(2023年)を手がけたグラント・シンガー。主人公には『餓狼伝説』本編とは異なる若手俳優を起用する予定だという。

The Arenaは、ロバート・カークマン率いるスカイバウンドと共同で、『餓狼伝説:誓い(原題:Fatal Fury: The Vow)』と題したアニメシリーズの企画も進めている。若き日のテリーとアンディ兄弟が、自らの生き方や使命、そして復讐の意味を探しながら、修行に励む姿を描いた作品になるという。
配信先としてはYouTubeが有力視されている。また、原作ゲームの著名なファンやインフルエンサーが企画段階から参加する可能性もある。
『龍虎の拳』ウェブトゥーンが開発中!「サウスタウンの基盤」を築く
さらに、『龍虎の拳』を原作としたウェブトゥーン企画も進行中で、『Double Kill(原題)』や『Blood System(原題)』で知られるブランドン・チェンが漫画化を担当する。
作品の概要では、「激しく対立してきた2人のライバルが手を組み、サウスタウンの危険な裏路地へ足を踏み入れる。それぞれにとってかけがえのない友人を救うために戦う、アクション満載のバディストーリー」と説明されている。
フェイグによれば、このウェブトゥーンは同スタジオによる『龍虎の拳』のメディアミックス展開の第一歩で、「サウスタウンの世界観の基盤を築く役割を担う」という。
メディアを展開だけじゃない!目指すのは新たな“エコシステム”構築
同スタジオが複数のメディアへ同時に展開する理由は、さまざまな制作期間のプロジェクトを並行して進めつつ、ファンと多くの接点を作る戦略の一環だ。
フェイグは「各プロジェクトの制作サイクルは異なります。重要なのは、プロジェクト同士が協力し合うこと、そして、あらゆるメディアに触れている現代の観客に、どう作品を届けるかということです。私たちは、全てのプロジェクトに同じ考え方で取り組んでいます」
フェイグによれば、The Arenaは「人々の日常の中に溶け込む存在」を目指している。「私たちが提供したいのは、映画を観たり、ゲームで遊んだり、ウェブトゥーンを読んだり、アニメを観たりすることだけではありません。私たちは、会話とつながりによって成り立つ、ある種のエコシステムを築こうとしているのです」
そのために重要な役割を担うのが、元クランチロール幹部のゲルデマンだ。前職では、ファニメーションやクランチロールのブランド成長に貢献し、欧米におけるアニメの文化的地位の向上にも貢献した。
一方、元ユニバーサル幹部のライリーは、複数のプラットフォームを横断する映像作品の企画と制作を統括する。「私たちには、力強い威信という揺るぎない理念があります。全ての作品において品質と優位性を追求するのは当然です。そして同時に、私たちが敬意を持って向き合うIPの期待に応える、唯一無二の作品を届けたいのです」とライリーは語る。
映画作品は、共同出資者や配給パートナーと提携して展開する方針だ。SNKのIPは、The Arenaに出資するサウジアラビア系投資グループMiskが保有しており、同じくサウジ系のMBCも出資企業として名を連ねている。
しかし、将来的にはSNK作品に限定せず、オリジナルIPの開発も視野に入れている。オリジナルIPについては、外部からの企画提案や書籍原作の権利取得なども検討中で、出資者側もこうした方針を支持している。
The Arenaはスタートアップ企業特有の機動力と柔軟性を持ちつつ、慎重さも意識しているという。
フェイグは、映画監督ピーター・バーグの言葉を引用し、「ゆっくり進むとスムーズで、スムーズな動きは速い」と同スタジオの姿勢を説明した。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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