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【※ネタバレあり】新ドラマ版『キャリー』インタビュー|マイク・フラナガン監督&主演キャストが語る!原作からの大胆な改変とは

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【※ネタバレあり】『キャリー』ドラマ版インタビュー|マイク・フラナガン監督&主演キャストが語る!原作からの大胆な改変とは?
『キャリー』写真:© Amazon MGM Studios
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杉山すぴ豊 アメキャラ系ライター

スティーヴン・キングの代表作の1つである小説『キャリー』が、新たにドラマシリーズ化されました。全8話が10月7日(水)よりPrime Videoにて独占配信中です。

いじめに苦しむ高校生のキャリー・ホワイトは、並外れた念力を持っていました。そして、彼女への嫌がらせが頂点に達したプロムの夜、ついにその力が暴走します。

『キャリー』海外版予告編

今回のドラマシリーズを手掛けたショーランナーのマイク・フラナガン、キャリー役のサマー・H・ハウエル、キャリーの母マーガレット役のサマンサ・スローヤンにインタビューする機会に恵まれました。その様子をお届けします。

ただし、今回のインタビューは本作のネタバレを含みます。そこで、第1部「そもそも『キャリー』とは?」では作品の背景や過去の映像化作品を振り返り、第2部「マイク・フラナガン、サマー・H・ハウエル、サマンサ・スローヤン インタビュー」では、ドラマ版の大胆な改変やキャラクターについて掘り下げます。第2部は、本作を視聴してからお読みになることをおすすめします。

第1部:そもそも『キャリー』とは?

『キャリー』という小説を広く知らしめ、スティーヴン・キングの名を映画ファンにも印象づけた作品の1つが、1976年公開の映画『キャリー』(日本公開は1977年)です。監督はブライアン・デ・パルマ、主演はシシー・スペイセクです。

『キャリー』(1976)海外版予告編

当時は『エクソシスト』(1973年、日本公開は1974年)以降、ホラー映画ブームが続き、多くの作品が公開されていました。ただ、当時はまだ「ホラー映画」という言葉が現在ほど一般的ではなく、「恐怖映画」や「オカルト映画」といった呼び方がされていました。

そんな中、日本の配給会社は『キャリー』と『家』(1976年、お化け屋敷もの)、『オードリー・ローズ』(1977年、輪廻転生もの)の3作品を「パラサイコ・シリーズ」と銘打って連続公開したのです。この3作に物語上のつながりはありませんが、シリーズとしてまとめて売り出すことで、統一感を持たせたかったのかもしれません。

とはいえ、当時はまだ子どもだったため、こうした怖い映画にはなかなか連れて行ってもらえませんでした(笑)。そのため、まずは後年のテレビ放映やビデオで鑑賞し、2012年に「午前十時の映画祭」で上映された際には、真っ先に劇場へ駆けつけました。また、原作小説も1980年代に文庫版が出たときに読んだ覚えがあります。

ホラー映画ファンの間では、『キャリー』は名作として語り継がれてきました。私もテレビで観て以来、その面白さに夢中になりました。映画祭で取り上げられたオカルト系の洋画ホラーとしても、『エクソシスト』『シャイニング』『キャリー』は印象深い作品です。

確かに怖い映画ですし、特に最後のオチには「うわっ!」となります。でも、キャリーがかわいそうなんですよね。同情してしまうのです。彼女がその力を爆発させるのは、幸せの絶頂から突き落とされたとき。見返すたびに、幸せなままでいてほしかったと思ってしまいます。

キャリーを演じたシシー・スペイセクがアカデミー賞にノミネートされたこともうなずけます。だからこそ、この映画は悲劇の青春物語なのです。

一方、原作では、怒りに駆られたキャリーの破壊行為がより無差別で、規模も大きく、彼女が怪物のような存在として描かれている印象を受けました。

このサイキック少女の物語は、その後も何度か映像化されています。

まず、1999年公開の『キャリー2(原題:The Rage: Carrie 2)』。キャリーではなく、レイチェルという少女を主人公にした作品です。一部キャストが1976年版と共通していることもあり、同作の続編として製作されました。

『キャリー2』(原題:The Rage: Carrie 2)海外版予告編

2002年には、テレビ映画版『キャリー』も製作されました。当初からドラマシリーズ化を想定したパイロット版として企画された作品です。

テレビ映画版『キャリー』海外版予告編

さらに2013年には、女性監督キンバリー・ピアースがメガホンを取り、キャリー役にクロエ・グレース・モレッツ、マーガレット役にジュリアン・ムーアを迎えて再映画化されました。

『キャリー』(2013)海外版予告編

どの作品も十分に楽しめます。『キャリー2』ではレイチェルが主人公ですが、いずれも超能力による大破壊がクライマックスを盛り上げます。ただ、1976年版が傑作であるがゆえに、どうしても比較されてしまうのです。いわば「1976年版の焼き直し」という評価を超えるのが難しいのかもしれません。

私見ですが、1976年版でシシー・スペイセクが暴走したときの不気味さは、例えば『リング』の貞子や、1954年版『ゴジラ』が人間に対して情け容赦なく襲いかかるときの恐怖にも通じるものがあります。とにかく目が怖いのです。

また、ストーリーとしても、主人公が追い詰められ、最後に怒りが爆発するという、ある意味ではシンプルな物語です。そこに新鮮味をどう加えるかは難しいところでしょう。内容を大きく変えすぎれば、『キャリー』ではなくなってしまうからです。

こうした状況の中、マイク・フラナガンが『キャリー』のドラマシリーズ化に挑みました。フラナガンは、映画では『ジェラルドのゲーム』(2017年)、『ドクター・スリープ』(2019年)、『サンキュー、チャック』など、スティーヴン・キング原作の作品を手掛けてきました。

スティーヴン・キングから厚い信頼を寄せられるフラナガンは、いかにして『キャリー』をドラマ化したのでしょうか。そして、新たなキャリーを演じるサマー・H・ハウエルは、このアイコニックなキャラクターをどのように表現したのでしょうか。第2部でお伝えします。

第2部:マイク・フラナガン、サマー・H・ハウエル、サマンサ・スローヤン インタビュー

※以下、ドラマ版『キャリー』のネタバレを含みます。

今回の『キャリー』は、もはや古典ともいえる超能力少女キャリーの物語の核を押さえながら、原作とは大きく異なるアレンジを加えています。主な変更点は3つあります。

  1. キャリーが最後に死なない。 実は、この改変は2002年版でも行われています。
  2. 超能力者をめぐる新たな対立が描かれる。 超能力者を排除しようとするグループと、彼らを確保しようとするカルト集団が登場します。さらに、幽体離脱能力を持つ超能力者で、キャリーを助けるエマリンという女性も登場します。
  3. SNSによるいじめが物語に組み込まれる。 キャリーへのいじめをきっかけに、Instagram上でキャリーや学校関係者のスキャンダルを暴露し、誹謗中傷する「キャリー・レッド」というアカウントが登場します。その正体は、キャリーを最もいじめていたクリス。このアカウントの存在が、キャリーを取り巻く状況をさらに悪化させていきます。

特に1つ目の改変は、原作ファンや1976年版の映画が好きな人にとって、かなり衝撃的なのではないでしょうか。

こうした変更点も含め、まずはマイク・フラナガン監督に聞きました。

マイク・フラナガン監督インタビュー

マイク・フラナガン監督
マイク・フラナガン監督

――今回の『キャリー』はとても面白く、全8話を一気見しました。一方で、驚いたこともあります。まさかキャリーが生き残るとは思いませんでした。このアレンジは大きな挑戦だったのではないでしょうか?

マイク:まず、ドラマを気に入ってくださり、ありがとうございます。『キャリー』については、デ・パルマ版の映画を含め、すでにすばらしい前例があります。ですから、これまでと同じやり方やアプローチで作る意味はありません。

そう考えて改めて原作小説に向き合ったとき、果たしてキャリーは死ぬべきなのだろうか、と考えたのです。彼女には生き残る資格があるのではないか。そして、自ら引き起こした惨劇から抜け出した後、何を考え、どう外の世界と向き合って生きていくのだろうかと想像しました。ここが大きなポイントでした。

――この改変について、スティーヴン・キング氏の反応はいかがでしたか? 彼はこのドラマの製作総指揮として名を連ねていますよね。

マイク:そもそも「なんでまた『キャリー』をやるんだい?」と、最初は懐疑的でした(笑)。

ただ、先ほどお話ししたような僕たちのアプローチや、新しい視点からキャリーやマーガレットを描くという考えを伝えたところ、興味を持ってくれて、最終的には支持してくれたんです。「リメイク(再製作)ではなく、リインベンション(再発明)ならいいよ」と。

――新しい視点といえば、サイキック能力を持つキャリー・ホワイトに対して、ソーシャルメディア(SNS)の力で街の分断を引き起こす「キャリー・レッド」の対比が面白かったです。このアイデアはどこから生まれたのでしょうか?

マイク:ご存じのように、物語ではキャリーが周囲からいじめられますよね。そこで、現代のいじめについて考えたとき、ソーシャルメディアが浮かびました。

調べてみると、Instagram上の誹謗中傷アカウントによって、ある地域社会が崩壊しかけた事例があると知ったんです。それをドラマに取り入れようと考えました。そこから、キャリー・ホワイトに対する「キャリー・レッド」というアイデアが生まれました。レッド、つまり血は、『キャリー』という物語にとって欠かせない要素でもありますから。

――キャリー・ホワイトと、キャリー・レッドの正体であるクリス(キャリーをいじめる張本人)がトイレで話し合うエピソード6は圧巻でした。とてもエモーショナルで、心を揺さぶられました。キャリーとクリスが本当は友だちになれたかもしれない。そう思わせてくれる、救いのある瞬間ですよね。

マイク:そうなんです。あのエピソードの監督は鎌田宏美さん(注:『SHOGUN 将軍』『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』なども手掛けた監督)ですが、すばらしい仕上がりにしてくれました。

あのとき、キャリーとクリスは和解できたかもしれません。もしそうなっていれば、最後の大悲劇は防げたわけです。だからこそ、シリーズの中でも重要なシーンの1つです。

――このドラマでキャリーを演じるサマー・H・ハウエルさんは、とてもチャーミングでした。僕が彼女のクラスメートだったら、真っ先にプロムに誘いますが(笑)。

マイク:(笑)。彼女は素敵です。実は今回、キャリー役のオーディションには1400人もの俳優が参加したんです。

――1400人ですか!?

マイク:はい。とにかく、シシーやクロエとは違う少女にしたかったんです。

サマーは好奇心と優しさを持ち、感情的知性(自分や他者の感情を理解し、適切に対処する力)にも優れた女性でした。だから彼女をキャリー役に選びました。キャリーはこのドラマの主人公であり、物語の「ハート」なんです。

『キャリー』
『キャリー』より 写真:© Amazon Content Services LLC

――今回で何度目かのスティーヴン・キング原作作品ですが、彼の小説のどこに惹かれていますか?

マイク:子どもの頃から彼の小説が好きでした。ホラー要素も楽しんでいますが、実は彼はヒューマニストであり、楽観主義者だと思います。希望と闇の両方が描かれているところに惹かれるんです。

――僕は彼の小説『ファイアスターター/炎の少女チャーリー』がとても好きです。いつかフラナガンさんにドラマ化してもらいたい。そして、『キャリー』とのクロスオーバーも実現してほしいです(笑)。

マイク:おお!(笑)。キャリーとチャーリーが手を組むんですか! それは面白いですね。

実は今回、制作中は続編(シーズン2)のことは意識せず、とにかくこの8話で完結するドラマに注力しようと思っていました。

――絶対に、みんな続編を期待しています。ぜひ作ってください。できれば日本も舞台にしてほしいです。

マイク:ありがとうございます。日本には2度ほど行ったことがあり、とても好きです。実現させたいですね。

サマー・H・ハウエル(キャリー役)、サマンサ・スローヤン(マーガレット役)インタビュー

サマンサ・スローヤン(マーガレット役)、サマー・H・ハウエル(キャリー役)
(左から)サマンサ・スローヤン、サマー・H・ハウエル

――まず最初に言わせてください。お二人の演技がすばらしかったです。だからこそ、今回の『キャリー』は単なるホラーを超えて、母と子のドラマになっていたと思います。

サマー&サマンサ:ありがとうございます! そう言っていただけて嬉しいです。

――サマーさんにお聞きします。これまで『チャイルド・プレイ/誕生の秘密』『チャイルド・プレイ ~チャッキーの狂気病棟~』で、ホラーアイコンのチャッキーと共演してきました。今回、自分がホラーアイコンのキャリーを演じることになって、どんな気持ちでしたか?

サマー:(笑)。かなり長いオーディション期間だったので、役を得たときはまず「やった!成し遂げた!」と思いました(注:フラナガン監督も、約1400人がオーディションに参加したと語っています)。人生が変わる瞬間でしたね。

本当にすばらしいスタッフやキャストと一緒に仕事ができて、とても光栄でした。この機会をいただけたことに感謝しています。

ホラーアイコンといえば、やっぱり血まみれのキャリーですよね(笑)。自分の血まみれの姿を見たときは、「クール!」と思いました(笑)。

撮影前は「きっと血のりはベタベタするし、撮影時間も長くなるんだろうな」と思っていましたが、実際は最高に楽しくて、あの現場にいるのが大好きでした。熱に浮かされたような感覚で撮影に臨みましたね。

――撮影でほかに思い出に残っているシーンはありますか?

サマー:あのロッカーの、シャワーのシーンですね。撮影に12時間もかかったんです。

みんな私をいじめる役ですが、撮影現場の裏では皆さんすごくいい人なんですよ!(笑)

『キャリー』より
『キャリー』より 写真:© Amazon Content Services LLC

――サマンサさんにお聞きします。マーガレットはサイコパス的な一面を持つ一方で、娘思いの母親でもあります。こうした二面性のあるキャラクターを、どのように演じようと思ったのですか?

サマンサ:まずマイクと話したときに、この物語のポイントは母と娘の関係だと確認しました。

それで、母親かサイコパスかという二面性よりも、娘を愛している一方で、娘が大人になって自立することには耐えられない。その葛藤を抱えた人物だと解釈しました。

私はマイクと2015年から7作品で一緒に仕事をしていますが、いつも思うのは、マイクは作品に対するビジョンがしっかりしていて、用意周到だということです。でも、だからといって窮屈なわけではありません。

そうした準備がしっかり整っているからこそ、撮影現場ではかえって余裕が生まれます。この安心感があるから、私たちは自由に演じられました。

『キャリー』より 写真:© Amazon Content Services LLC
『キャリー』より 写真:© Amazon Content Services LLC

――サマーさんにお聞きします。二面性という点では、キャリーも無邪気な少女である一方、クライマックスでは破壊的な力を振るう存在になりますよね?

サマー:思い切り叫んだり、感情を爆発させたりするのは楽しいです。私自身、感情があふれやすいタイプなので、クライマックスのキャリーも楽しんで演じました。

でも、明るくハッピーなキャリーを演じるのも大好きでした。

この年になるまで外の世界を知らなかった少女が、一歩外の世界へ踏み出す。それは演じがいがありました。自分自身もこの役を得て新しい世界へ踏み出したので、キャリーと重なる部分があったんです。

あの高揚感や感謝の気持ちを体現するのは、私にとってワクワクする体験でした。

――今回の『キャリー』は本当にすばらしいので、人気が出て続編(シーズン2)が作られることを期待したいです。

サマー:私もです!続編があるかどうかも含めて、私は何も聞いていないんですが(笑)。キャリーは生きていますし、これからも生きていく資格があると思うからです。

彼女がこれからどうなっていくのか、私も楽しみですし、ぜひ演じてみたいです。

サマンサ:マーガレットは一応死んでしまったので、シーズン2に出るとしたら幽霊かもしれませんね(笑)。

――シーズン2のプロモーションで、ぜひ日本に来てください。

サマー:絶対に行きます! プライオリティナンバー1です(笑)。

楽しいインタビューでした。監督も出演者の2人も、終始楽しそうに質問に答えてくれました!

続編が実現するかどうかは、今後の反響次第です。ぜひ皆さんも『キャリー』を視聴して、応援してください。

『キャリー』シーズン2更新決定

キャリーの恐怖は、あのプロムの夜では終わらなかった!Prime Videoが『キャリー』のシーズン2への更新を決定。サマー・H・ハウエル演じるキャリー・ホワイトの、その後の物語が描かれることになりました。

しかも驚くべきは、そのスピード。10月7日のシーズン1配信開始から、わずか2週間での続編決定です。Prime Videoによれば、配信開始から2週間で世界100以上の国と地域において視聴ランキング1位を獲得。どうやらキャリーの恐怖は、世界中の視聴者をすっかり虜にしてしまったようです。

『キャリー』作品情報

『キャリー』写真:© Amazon MGM Studios
『キャリー』写真:© Amazon MGM Studios

配信:Prime Videoにて独占配信中(全8話、2026年10月7日配信開始)

キャスト:サマー・H・ハウエル、サマンサ・スローヤン、シエナ・アグドン、アリソン・ソーントン、ジョエル・ウレット、ジョシー・トター、アーサー・コンティ、タリア・デュデック、アンバー・ミッドサンダー、マシュー・リラード

原作:スティーヴン・キング

ショーランナー・脚本:マイク・フラナガン

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