岡本多緒「人生を変える1本」カンヌ女優賞受賞作『急に具合が悪くなる』舞台挨拶レポート
映画『急に具合が悪くなる』の公開記念舞台挨拶が6月20日、東京・TOHOシネマズ日比谷で開催され、濱口竜介監督と出演の岡本多緒、長塚京三、黒崎煌代が登壇した。
本作でダブル主演のヴィルジニー・エフィラとともに第79回カンヌ国際映画祭の最優秀女優賞に輝いた岡本は、観客のスタンディングオベーションに迎えられ「感動しちゃいました」と歓喜。黒崎も、「日本では初めての経験。カンヌの思い出がよみがえりました。あと10分くらいやってください」と冗談めかして呼びかけた。

岡本多緒『急に具合が悪くなる』舞台挨拶で語った“人生を変える1本”とカンヌ受賞の裏側
6月19日に全国で公開され、周囲の反応を問われると岡本は「高校時代の恩師が、自分とリンクさせて見てくれたようで胸熱になりました」と笑顔。濱口監督は、「母親から『緊張感が続いて良かった』と言ってもらい、ありがたいことです」と真摯に語った。

岡本は、フランス語のセリフなど多くのタスクがあった難役について改めて聞かれたが、「やることは多かったけれどきつい、しんどいと思うことはなかった。最後に体を絞らなければいけなくて食事制限はして、(病気でやせていく)身体的なものを理解することもできた」ときっぱり。ただ、「監督が横でおいしそうなものを食べていたのはちょっと…」とクレームを入れて会場を笑いで包んだ。
さらに、約8カ月の準備を経て撮影に臨んだが、エフィラの存在が大きかったことを強調。「彼女がいたから乗り越えられた。先日、メイキングのビデオが送られてきて2人の掛け合いを見返すと、ヴィルジニーがNGを出して私の腕にかみついたりしていて。今日いないのが不思議ですし寂しいです」と一心同体だったことを明かした。

長塚は、「自分と皆が全体のために最善を尽くす、最高の雰囲気で仕事ができた。今までにないテイストの映画になっている」と自信の弁。黒崎も、「かけがえのない経験になりました。参加させていただき、見た方1人1人の人生に関われたことが素敵」と相好を崩した。
そして、岡本が「人生を変える1本。私が出ていることは置いておいて、こんなに素晴らしい映画があるのかと思っています」と笑顔。濱口監督も、「『言葉にならない』という感想もいただいたが、それもありがたいし大事に抱えてもらえたらと思う。良いチームで、これほど幸福に仕事ができたことがあっただろうかと思う。こういうことが人生でまた起こればいい」と話した。

取材/記事:The Hollywood Reporter Japan 特派員 鈴木元
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