映画『FLY!/フライ!』巡る盗作訴訟が浮上、「主人公の名前まで酷似」と脚本家が主張
イルミネーション制作のアニメ映画『FLY!/フライ!』を巡り、脚本家ケネス・ジャヴァラが著作権侵害を主張し、脚本を手がけたマイク・ホワイトらを相手取って提訴した。ジャヴァラ氏は、自身が執筆した脚本『サウス・フォー・ザ・ウィンター(原題:South for the Winter)』のアイデアや設定が無断で流用されたと訴えている。
映画『FLY!/フライ!』に著作権侵害疑惑、脚本家が提訴
米カリフォルニア州の連邦裁判所に提出された訴状によると、脚本家のケネス・ジャヴァラ氏は、イルミネーション・エンターテインメントおよび『FLY!/フライ!』の脚本を担当したマイク・ホワイトが、自身の脚本『サウス・フォー・ザ・ウィンター』を無断で使用したとして著作権侵害を主張している。
ジャヴァラ氏は、両作品には「実質的な類似点」が存在すると指摘した。いずれも、故郷を離れたがらない父親の鳥が、家族とともに移動の旅へと踏み出す物語であり、暖かい土地への移動(渡り)を巡る葛藤が描かれているという。
訴訟では、両作品がニューイングランド地方に暮らす鳥の家族を主人公とし、安全な故郷に留まるか、暖かい土地へ移動するかの選択に直面する点をはじめ、物語の舞台や展開にも共通点があると主張している。さらに、旅の重要な舞台としてニューヨークのセントラル・パークが登場する点も挙げられている。
主人公の名前やテーマ設定にも類似点を指摘
ジャヴァラ氏は、『サウス・フォー・ザ・ウィンター』の主人公「マック(Mac)」と、『FLY!/フライ!』の主人公「マック(Mack)」の名前の類似性にも言及している。また、両作品において、年長の鳥が主人公に自由や冒険の価値を教えるメンターとして登場し、主人公の成長を促す役割を果たしている点も共通していると主張した。
訴状によれば、「自立への成長」や「移動体験を通じた自己形成」といったテーマも両作品で重要な要素として描かれているという。
ジャヴァラ氏は、『FLY!/フライ!』の収益の一部に加え、損害賠償および作品の正式な脚本家として自身の名前をクレジットするよう求めている。
『サウス・フォー・ザ・ウィンター』は脚本コンペ受賞作だった
ジャヴァラ氏の脚本『サウス・フォー・ザ・ウィンター』は、2011年に開催された「Fresh Voices Screenplay Competition」のアニメーション部門で最優秀賞を受賞。その後、同氏の代理人弁護士を通じて、長年にわたり映画スタジオやプロデューサー、エージェントに売り込みが行われていたという。
ジャヴァラ氏の代理人弁護士フランシス・ボッティーニ氏は訴状の中で、「マイク・ホワイト氏が同脚本に接触し、その内容を流用した可能性は十分にある」と主張している。
『FLY!/フライ!』は約7,200万ドルの製作費で制作され、世界興行収入は3億ドルを突破。クメイル・ナンジアニ、エリザベス・バンクス、ダニー・デヴィート、キーガン=マイケル・キー、オークワフィナらが声優として参加している。
著作権侵害の立証には高いハードル
一方で、著作権侵害訴訟において勝訴するためのハードルは高いとみられている。米国の著作権法では、作品の基本的なアイデアやジャンルに共通する定型的な設定そのものは保護の対象とはならず、それらをどのように具体的に表現したかが争点となるためだ。
実際、近年ではM・ナイト・シャマランが製作総指揮を務めたドラマ『サーヴァント ターナー家の子守』や、ディズニー映画『モアナと伝説の海』を巡る著作権訴訟でも、原告側の主張は認められなかった。今回の『FLY!/フライ!』を巡る訴訟についても、今後の司法判断が注目される。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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