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マイケル・J・フォックス、65歳の現在地 パーキンソン病とともに歩む名優の新章「人生がまた面白くなった」

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マイケル・J・フォックス、65歳の現在地 パーキンソン病とともに歩む名優の新章「人生がまた面白くなった」
マイケル・J・フォックス 写真:Charlie Clift/BAFTA/Contour/Getty Images
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パーキンソン病と診断されてから35年――ハリウッドを代表する俳優であり、世界的なパーキンソン病研究支援活動の象徴でもあるマイケル・J・フォックス

米『ハリウッド・リポーター』(7月22日号)の表紙を飾ったマイケル・J・フォックス、「マイケル・J・フォックス財団(MJFF)」のデボラ・W・ブルックスCEO
米『ハリウッド・リポーター』(7月22日号)の表紙を飾ったマイケル・J・フォックス、「マイケル・J・フォックス財団(MJFF)」のデボラ・W・ブルックスCEO 写真:Mark Seliger

「演技を再開したことで、本当に寿命が延びた」――そう語る65歳の現在地には、病と向き合いながら歩み続けてきた俳優人生の新たな章があった。

マイケル・J・フォックス、俳優復帰の現在「寿命が延びた」

マイケル・J・フォックス 写真:Jason Kempin/Getty Images
マイケル・J・フォックス 写真:Jason Kempin/Getty Images

Apple TVの大ヒットシリーズ『シュリンキング:悩めるセラピスト』シーズン4で、約6年ぶりとなる本格的な俳優復帰を果たしたマイケル・J・フォックス。1991年のパーキンソン病診断後も第一線で活躍してきたが、近年は滑舌の変化などを理由に俳優業から距離を置いていた。

しかし、旧知のクリエイターであるビル・ローレンスとの再タッグにより復帰を決意。「演技を再開したことで、本当に寿命が延びました。人生がまた面白くなったんです」と語る。無理に抗わず身体と向き合い続けるその姿勢は、35年間変わっていない。

▼診断から35年、「病気を隠さなくてもいい」と思える社会へ

2000年に『スピン・シティ』でエミー賞を受賞したマイケル・J・フォックス
2000年に『スピン・シティ』でエミー賞を受賞したマイケル・J・フォックス 写真:SCOTT NELSON/AFP/Getty Images

フォックスがパーキンソン病と診断されたのは1991年、29歳のときだった。医師から「俳優を続けられるのはあと10年」と告げられるも、その予測を覆し第一線で活躍を続けた。

不安からアルコールに依存した時期もあったが、断酒を経て1998年に病気を公表。「『やるからには徹底的にやる。中途半端はナシだ』と彼女に伝えました。隠すのはやめよう、とね」と語る通り、妻トレイシー・ポランの支えのもとでオープンにする道を選んだ。この決断が、パーキンソン病に対する社会の認識を大きく変える転機となった。

公表直後、フォックスは匿名で患者たちのチャットルームに参加し、著名人の病気公表について問いかけた。返ってきたのは「勇気づけられた」という声だった。「当時は打ち明けるなんて考えられない時代でしたから」と振り返る通り、フォックスの告白は「病気を隠さなくてもいい」という大きな変化を患者たちにもたらした。

▼財団が変えた、パーキンソン病研究の未来

2008年に開催された慈善イベントでの「マイケル・J・フォックス財団」共同設立者兼CEOのデボラ・W・ブルックス(左)と、元同財団CEOのケイティ・フッド(右)
2008年に開催された慈善イベントでの「マイケル・J・フォックス財団」共同設立者兼CEOのデボラ・W・ブルックス(左)と、元同財団CEOのケイティ・フッド(右)写真:Dimitrios Kambouris/Wireimage

2000年、フォックスは「マイケル・J・フォックス財団(MJFF)」を設立した。これまでに30億ドル(約4,860億円)以上を投資し、約180件の新薬開発プログラムを臨床試験へ導くなど、世界最大級の支援団体へと成長を遂げている。

フォックスは設立時、財団のデボラ・W・ブルックスCEOに対し「君が最高の仕事をすれば、最終的に君の仕事はなくなる」と言い添えた。財団は今も「病気を終わらせる」ことを唯一の目標に活動を続けている。

▼病気が俳優としての表現を変えた――ハリソン・フォードと共演も

(左から)ハリソン・フォード、マイケル・J・フォックス、Apple TVシリーズ『シュリンキング:悩めるセラピスト』シーズン4より
(左から)ハリソン・フォード、マイケル・J・フォックス、Apple TVシリーズ『シュリンキング:悩めるセラピスト』シーズン4より 写真:Apple TV

病気は多くを奪った一方で、俳優としての表現に新たな深みをもたらした。『グッド・ワイフ』では自身の症状を役に活かした弁護士役で絶賛され、『ラリーのミッドライフ★クライシス』では病気さえユーモアへ昇華してみせた。

フォックスは「病気のおかげで物事の真実を見つけられるようになったんです。以前は弱さを隠そうとしていましたが、今では自身の経験を役へ注ぎ込めます。演じる上で恐れる場所はないですね」と語る。

(左から)ハリソン・フォード、マイケル・J・フォックス、Apple TVシリーズ『シュリンキング:悩めるセラピスト』シーズン4より
(左から)ハリソン・フォード、マイケル・J・フォックス、Apple TVシリーズ『シュリンキング:悩めるセラピスト』シーズン4より 写真:Apple TV

『シュリンキング:悩めるセラピスト』でフォックスが演じるのは、ハリソン・フォード演じる神経科医ポールと出会うパーキンソン病患者だ。

「劇中で同じ病を抱える人物同士として掛け合う役柄は、初めてでした。ハリソンは、私の経験の共有や演技の手助けを喜んでくれた。とても優しく、温かく迎え入れてくれました」とフォックスは振り返る。病気と俳優としての経験の双方が、最も自然な形で結実した出演となった。

▼重要なのは資金や科学よりも「人間性」

マイケル・J・フォックス、「マイケル・J・フォックス財団(MJFF)」のデボラ・W・ブルックスCEO
マイケル・J・フォックス、「マイケル・J・フォックス財団(MJFF)」のデボラ・W・ブルックスCEO 写真:Mark Seliger

フォックスの活動により、病を公表する患者が増え、研究も飛躍的に前進した。しかしフォックスが強調するのは、資金や科学以上に大切な「人間性」だった。

「一日一日を乗り越え、自分たちの行動で一人ひとりの人生を良くしていく。重要なのはお金や科学だけではなく『人間性』そのものです」とフォックスは語る。「演技で寿命が延びた」という言葉の通り、俳優、活動家、そして一人の患者として病とともに歩んできた35年の軌跡は、今もなお多くの人々に希望を与え続けている。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌

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