SNSの絶賛は不要?ノーラン新作『オデュッセイア』、インフルエンサー向け試写を完全スルーへ
クリストファー・ノーラン監督の最新作『オデュッセイア』が、ハリウッドの興行トレンドを覆す大胆な一手を打った。米ユニバーサル・ピクチャーズは、大作映画の公開前において今や定番となっている、インフルエンサー向けの先行口コミ試写会を一切行わない方針を固めたのだ。
同作は、現地時間7月6日(月)にロンドンでワールドプレミアを迎えた後、そのまま映画批評家向けの試写へと移行する。
▼インフルエンサー向けの『オデュッセイア』試写を行わない理由

大作映画において、SNSインフルエンサーを先行試写に招待し、好意的なレビューを拡散させる手法は業界の「標準装備」だ。しかし、ユニバーサルが今回そのプロセスを排除した背景には、スタジオの宣伝部門とインフルエンサーの過剰な「蜜月関係」に対し、映画ファンがかつてないほど懐疑的な目を向けている現状がある。
近年のハリウッドでは、インフルエンサー起用による裏目が目立つ。インフルエンサーの極端な大絶賛と、プロの批評家レビューとの温度差が激しく、ネット上で猛烈な不信感を買うケースもみられる。
▼「自信の証明」か、それとも「隠蔽」か

映画インフルエンサーたちの影響力が完全に衰退したと結論づけるのは時期尚早だが、本作の動向は今後のハリウッドの宣伝戦略に一石を投じることになる。もしユニバーサルによる今回の「インフルエンサー外し」が興行的な成功を収めれば、他スタジオもこれを「作品のクオリティに対する絶対的な自信」として追随する可能性は高い。
逆に、これまで通り先行口コミ試写に過度に頼る作品は、本編の出来の悪さを隠蔽しようとしているのではないかと、観客からより一層勘ぐられるリスクを背負うことになるだろう。
『オデュッセイア』は、ギリシャの英雄オデュッセウスが、妻と息子が待つ故郷へ帰還するまでの過酷な旅路を描く一大叙事詩だ。主人公を演じるマット・デイモンをはじめ、トム・ホランド、アン・ハサウェイ、シャーリーズ・セロン、ロバート・パティンソンら超豪華キャストが顔を揃える。日本では、9月11日(金)より公開される。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌

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