市川團十郎&新之助親子にヴェネツィア熱狂!『襲名』初上映に三池崇史監督「こんなに愛に満ちた拍手は初めて」
現地時間9月4日(金)、第83回ヴェネツィア国際映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門で、三池崇史監督による初のドキュメンタリー映画『襲名』の公式上映が行われた。
2022年に行われた「十三代目市川團十郎白猿襲名披露」の全貌を記録した本作。上映には三池監督と市川團十郎、息子の市川新之助が参加した。
上映前のフォトコールに、團十郎は歌舞伎の演目「男伊達花廓(おとこだて はなのよしわら)」の江戸一番の男伊達である御所五郎蔵(ごしょのごろぞう)の衣装で登場。世界各国の取材陣から感嘆の声が漏れた。
三池崇史監督『襲名』、ヴェネツィアで5分間の拍手喝采
三池監督は16年ぶりにヴェネツィアへ凱旋。「どんなものを作ってきたんだ? という期待の目も感じ、非常に厳しい部分もあります。その中でも、この映画は彼らにとっても非常に異質なものだったと思います」と本音を語った。
しかし、上映後は5分間に及ぶ拍手と歓声に包まれ、「びっくりしました。本当に真剣に見てくれて、真剣に称えてくれて。彼らにとっての新しいスターが誕生した瞬間を感じました。いろいろな映画祭でスタンディングオベーションを体験してきましたが、こんなにも力強く愛に満ちた拍手は初めて」と喜びをにじませた。

初めてドキュメンタリー作品を手掛けた理由を問われた三池監督は、『一命』(2011年)の主演俳優として團十郎(当時:市川海老蔵)とタッグを組んだことがきっかけだったと明かした。
「『團十郎』とは歌舞伎界最高峰の名前であり、頂点に立つ男、歌舞伎そのものを引っ張っていく立場になるわけです。この歴史的瞬間を記録に残したい、自分も絶対に参加したいと思った」と三池監督。
当初の撮影期間は1年間だったが、コロナ禍による公開延期もあり、完成までに4年を要した。三池監督は、「私の願いとしては、さまざまな国の方々に理解してほしいというよりは、歌舞伎というものの衝撃や、芝居そのものを体験していただければと思っています」と本作に込めた思いを語った。
市川團十郎、初の海外映画祭に感慨「もっと高みを目指して頑張りたい」
海外の映画祭には初参加となる團十郎は、「日本独特の世界で、最後の方は字幕もなく自分たちの素の芝居でしたので、皆さんにどう思われるのか、不安で不安で仕方がなかった」と語るが、観客からの反響の大きさに安堵の表情を浮かべた。
團十郎は「文化を大事にしている人々が、異国の初めての文化と世界観を体験し、リアルな感覚を感じ取ってくれたことが伝わってきて、幸せでした。私自身もこの映画の姿と同じように、もっと高みを目指して頑張りたいと改めて思いました」と決意を明らかにした。

新之助は初のヨーロッパ訪問で、「最初に出させていただいた映画でヴェネツィアの地に来ることができ、皆様に囲まれながらその映画を観ることができて、本当にうれしかった」と笑顔を見せた。
上映に関しては、「皆様が本当に温かい目で観てくださって。途中、『僕のお芝居を観ていて飽きないかな?』と不安でしたが、終わったら拍手で迎えてくれて、温かさを感じました」と率直な思いを語った。
『襲名』は、9月25日(金)より全国で公開される。
記事:The Hollywood Reporter Japan 特派員 鈴木元
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